暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
111話:『星々(れきし)』(後編)
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)に、両肘を両膝の上に乗せ、空中に座っているような青年がいた。
 戦う理由、それを青年は問うてきた。あぁそうだな…俺にとって一番のそれは。


「悲しませたくない奴らがいる、そいつらを守りたいから」


 悲しみ、か…。答えを聞いた青年が小さく漏らした。
 それをなくす為に、終わらせる為に戦う。だけどそれには、苦しみが伴うだろう。それでも戦うのか? 抗うのか?


「はい、戦って切り拓きます。その悲しみが終わる未来(ばしょ)まで!」
『……あぁそうか、君も愛してるんだな』


 そう言って立ち上がる青年。義務とか使命とかじゃない、君を動かしているのは純粋な想い。人を守ろうする、人を愛する想い。


『本当に強いのは、そう言った人の純粋な想いだ』


 その想いが未来を切り拓くんだ。
 進んでいけ、信じる仲間と共に。切り拓いた未来を、覆した運命≠。


『できる筈だ、君に戦士(ライダー)の資格≠ェあるのなら』
「はいッ!」


 力強く返事を返すと、彼は笑顔を浮かべて光へと変わった。
 光はベルトの宝石へ。新たな炎≠ェ灯ると、夜空もまた新しい星々を光らせた。

 四つの大きな星、奥には他と同じように輝く星の群れ。
 それらはどうしようもない運命≠覆し、新たな未来を勝ち取った者達の証だ。

 新たに拳を作り、大きく振りかぶった。
 その拳は目の前に横たわる壁を、納得のいかない現実を。真正面から砕く為のもの。


 ―――切り拓け運命≠! その拳で、その想い(きりふだ)で!















 大きな音を立ててぶつかった、両者の拳。反動で両者はじけ、距離ができる。
 苦痛に少し声を上げるが、すぐに手を動かす。両者は剣に手をかけ、共に振り上げる。

 再び甲高い音が世界に響く。火花を散らし斬り結ぶ両者、しかし一方はまた新たな姿へと変化していた。


 赤の複眼に、青いアンダースーツの上を覆う銀のプロテクター。頭部にはカブトムシのような角。
 西洋騎士を思わせるその鎧には、彼の姿そのものを象徴するスペードのスートが描かれている。

 それは人を愛し悪を憎む信念を貫き、仲間と衝突しながらも戦士として戦い、運命を覆した剣士の鎧……


 ―――ライダーシステム・ブレイドアーマー


 幾度かぶつかり合った剣は、遂に両者の肩を捉え、胸部の鎧を切り裂く。
 火花を散らし後退した両者は共に片膝を突き、荒くなった息を整えようとする。


「俺達≠ヘ何度だって立ち上がる…こうなって欲しくない運命があれば、それに抗う為に何度でも立ち上がれるんだ!」


 不屈の心を携える彼女(あいつ)も、絶望の底から
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