暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
111話:『星々(れきし)』(後編)
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なよ! てめぇで決めつけた御託並べるだけで、全部に絶望するなよ!」


 世界は確かに理不尽だ。綺麗事や理想論がまかり通る程、現実は甘くはない。
 だけど、だからって絶望してられないだろ。その現実とか世界とかに、俺達は現在(いま)生きているのだから。そんなのに折り合いつけて、前へ進んでいくしかないんだよ!


「御託だと!? 違う、事実だ! お前は実際守れなかったじゃないか、お前が大切だと思う者達の幸せを! それをお前は―――」
「過去に固執し続けても、前には進めない! 変えられるのは俺達が生きる現在(いま)、そしてこれから進む未来だ!」
「じゃあお前は過去の出来事を後悔しないと…そう言うのかッ!?」


 そう言って繰り出される拳。だがそれは円を描くような手の動きで捌かれ、一度も当てられなかった。
 しかし攻撃の手は緩まることはなく、次々に繰り出される。それをまたしても捌き、逆に反撃を数回返す。

 そんな中、男は言った。そんなことはない、と。


「後悔していない、と言ったら嘘になる。あいつらの事は、今だって心残りだ」


 こうすれば救えた、ああすれば守れた。そんな後悔はいつも付きまとう。
 でも後悔するだけじゃダメなんだよ。だからと言って、割り切って捨て去る訳でもない。

 そんな後悔も挫折も全部含めた、心の中に巣くった思いを抱えて進んでいく。
 あいつらの分も生きて、進んで、戦って……現在(いま)を、そしてこれから未来(さき)を、守っていくんだ。


「お前だってもう気づいているんだろ?」
「……ッ!?」
「見ていたんだろ? あの人達≠フ戦いを―――俺の中で」


 瞬間、勢いよく飛んでくる拳。片手で受け止めるが、その重みと拳の硬さに男の思いを感じ取る。


「ふざけるな…見たくて見たんじゃない、知りたくて知ったんじゃない!」
「………」
「あんな奇跡は簡単に起きはしない! お前が運命≠ノ抗ったところで、何も変わりはしないッ!」


 再び拳のラッシュ。先程と同じように両手で捌こうとするが、全てを捌ききれず後退する。
 あぁそうだ、あの人達≠ンたいに戦えるかどうかなんてわからない。でもわからないからこそ、進まなければならない。進まなければ、何も見えてこない。


「運命≠ネんてもので終わらせないでッ、抗えよ、戦えよッ! 自分の手で切り拓かなきゃ、人は前には進めないだろ!?」
「オオオォォォォォッ!」


 握る拳、双方共にそれを振りかぶる。硬く、そして重く握られたそれらは、相手を砕く為のもの? それとも……?














『君はなんの為に…なんでそこまでして戦う?』


 星が瞬く宇宙(せかい
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