第184話 反董卓連合
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の側が一番でしょうね」
「正宗様の見立て通りならば近いうちに張文遠から話があるでしょう」
揚羽は風が話終わるのを待つと口を開いた。彼女ははじめから張遼の腹づもりを見抜いていただろう。
「董仲穎の助命ですか〜」
「そんなの無理だぜ。董仲穎は皇帝を引きずり下ろした大逆人だぜ」
「そうですよね〜宝ャ〜」
風は頭の上の置物とひそひそと会話をしだした。
「董仲穎は死ぬ以外にないでしょうね。死ぬ以外に」
風は意味深な悪巧みを思いついたような笑みを浮かべ正宗のことを見ていた。
「風、そういうことだ」
「御意です〜」
「正宗様、董仲穎の件は慎重に扱うようになされませ。ことが漏れぬように人選はお気を付けください。諜報部隊を使うよい頃合いか。凪を部隊長に百名ほど洛陽に送り込んではいかがでしょうか。今なら混乱に乗じて洛陽に潜り込めると思います」
揚羽は常山郡に本拠を置き秘蔵し続けた諜報部隊を使うことを進言してきた。
「練度はどの程度だ。董仲穎陣営にばれず潜伏することになる。中途半端な練度では狩り出される羽目になる」
正宗は神妙な表情で揚羽を見た。風は正宗と揚羽の話を黙って聞いていた。
「練度は問題ありません。凪とは別に真悠(司馬季達)も諜報部隊を率い洛陽に潜り込ませたいと考えていますが問題無いでしょうか?」
揚羽は話の流れで彼女は自分の希望を口にした。彼女は自分の妹の真悠を凪と一緒に洛陽に送り込みたいと言っていた。
「二部隊も投入するのか?」
正宗は複数の部隊を洛陽に潜り込ませることを訝しんだ。正宗軍が洛陽に突入するまでの間、隠密行動を取る必要がある。人数は少ないことにこしたことはない。正宗は揚羽の存念が気になったようだ。
「はい。董仲穎の救出を凪に任せます。真悠の役目は劉協様の保護でございます」
揚羽は正宗に詳しく説明した。それを聞き、正宗は揚羽の考えを理解した。
「揚羽、いいだろう。そのように手配せよ。可能であれば、劉弁様もお連れいたせ」
正宗は了承すると揚羽は正宗に頭を下げ拱手した。揚羽としては自分が一番信用できる人物を劉協救出に回したことと、妹の出世を後押ししたいと考えが働いたのだろう。
「へいへい。姉ちゃん。上手くやりやがったな!」
風は頭の上の置物・宝ャが揚羽に喋りだしたが、揚羽は素知らぬ顔で平静さを保っていた。
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