第184話 反董卓連合
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に残ると伝令があった。風は烏桓族に正宗から受けた恩を今こそ返すべきと密使を送り、自らの本拠である幽州上谷郡の兵と合わせ都合一万の兵を整え正宗の元に馳せ参じた。
「正宗様、久し振りですね。私は忘れられていたかと心配していました」
風は口元を抑え皮肉を正宗に言った。
「風、変わり無いようだな。幽州から長旅であっただろう。戦の前に一休めしてくれ」
正宗は笑みを浮かべ風を労った。
「そうさせていただきます。久し振りの長旅で疲れてしまいました」
正宗と風が会話をしていると、揚羽が部屋に入ってきた。
「風、幽州からご苦労さまでした。正宗様、お客人です」
揚羽は風に声をかけると、視線を正宗に向けた。
「こんな時に客人とはな。誰なのだ」
正宗は揚羽の話に訝しんでいた。
「董仲穎配下、張文遠が参っております。本人は董仲穎の元を去ったと言っております。お会いになられますか?」
「張文遠?」
正宗は揚羽から張遼の訪問を知らされ黙考した。その様子を揚羽と風は黙って見ていた。
「会おう。通してくれ」
「分かりました。私も同席させていただいてもよろしいでしょうか?」
揚羽は正宗と張遼の面会の場に立ち会わせて欲しいと言った。風も目に笑みを浮かべた。
「正宗様、私も同席したいです。よろしいでしょうか?」
「好きにしてくれて構わない」
「ありがとうございます」
揚羽と風は揃って正宗に礼を言った。張遼は揚羽の案内で謁見の間に通された。正宗は一段高い場所で玉座に腰を掛けていた。正宗の左に揚羽。右に風が立った。
張遼は部屋の中央に進むと片膝を着き頭を下げ拱手した。
「車騎将軍、お会いしていただきありがとうございます。過日、車騎将軍への襲撃を防ぐことができず申し訳ございませんでした」
張遼は以前の会った時の関西弁と違い、言葉に気をつけながら正宗に挨拶した。賈?が正宗を襲撃したため、正宗の元を張遼が訪問すれば有無を言わさず殺されてもおかしくない状況だからだろう。
「社交辞令はいい。今日、私を訪ねた用向きを聞かせて貰えるか?」
正宗は張遼に本題を聞きだそうとした。
「車騎将軍、ウチは董仲穎の元を去ってきました」
張遼は顔を上げた。正宗は彼女の話の続きを待った。
「車騎将軍、ウチを客分として置いてください」
揚羽は張遼の言葉に目を細めた。
「張中郎将、危険を承知して何故劉車騎将軍の元を訪ねたのです? 身を寄せるなら、劉車騎将軍以外にもいると思いますが」
風は張遼に質問した。彼女の質問はもっともだろう。張遼は最近まで董卓陣営であった。その者が正宗を頼って董卓の元を去った。董卓の暴挙を知れば、張遼が彼女の元を去ったこと
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