第184話 反董卓連合
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「そんなの私の月じゃない!」
賈?は董卓の想いに反発するように怒鳴った。
「私は私。詠ちゃんの気持ちは嬉しいと思う。でも、多くの者を犠牲にしてまで得るものじゃない」
「劉正礼は何なの! あの男は荊州で殺戮を行ったじゃない。老若男女問わず逆賊という理由で皆殺ししたわ。逆賊を根切りにすることは正義よ。でも、あの男は迷わずそれをやってのけた。大義の前には犠牲はつきものなのよ!」
賈?は董卓に自分の考えを全否定され動揺した様子で喋り出した。
「車騎将軍は蔡徳珪討伐における略奪を一切禁じ、それを行った者を処刑したと聞いたよ。逆賊の資産も全て荊州の復興に使うように厳命されたと聞いたよ。車騎将軍の強い想いが表れていると思う。詠ちゃんが言うような人だったら、そんなことはしない!」
董卓は賈?の正宗を非難する言葉を黙らせた。賈?は董卓に何も言えず黙ってしまった。自らの夢が董卓の夢でなく、独り善がりな夢であると痛いほど実感されたからだろう。
「月、今後どうするのだ?」
段?は董卓に尋ねた。
「私は詠ちゃんを見捨てることはできない」
段?は月の言葉を聞き目を瞑った。彼女は月の考えが想像できたのだろう。
「そのことの意味が理解できているのか?」
段?は目を開き鋭い目で月を凝視した。董卓は段?の迫力に動ずる様子はなかった。段?の視線を逸らさず、黙って見据えていた。
「私は友達を見捨てれない」
「詠はお前を裏切り続けたのだぞ。私達の分は限り無く悪い。勝算は見えないぞ」
「それでも。詠ちゃんを見捨てることはできない」
董卓の決意は固そうだった。段?は溜息をつき天を仰いだ。しばし、周囲を沈黙が支配した。
「私は月の決定に従おう」
「ウチは外れさてもらう。もう賈?っちにはついていけん」
張遼は賈?を睨みながら語気を強め言った。段?は張遼の意見を尊重したのか黙って頷いた。
「ええと。アタイは恋が残るからここに残るっす!」
李粛は迷わず答えた。親友の呂布が都に残る以上、彼女は都を離れる理由が無いのだろう。
「みんな迷惑をかけて御免ね。霞ちゃん、今までお世話になりました」
董卓は部屋にいる者達に頭を下げ、張遼に近づくと彼女の手を取り礼を言った。張遼は董卓に対して罪悪感を少し感じたのか表情を曇らせた。
「月、こっちこそ世話になった。またきっと笑って会える日が来るやろ。じゃあな」
張遼は笑顔で董卓に答えると槍を肩に乗せ去って行った。この日、彼女は都を後にする。張遼と段?は賈?を糾弾する前に密議を交わしていた。張遼は冀州に向かうのだった。
正宗は冀州に戻ると幽州にいる風と稟に早馬を出させた。その結果、稟は劉虞と白蓮を監視するために幽州
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