第184話 反董卓連合
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ながら賈?に言った。
「月は死なせない! 私が死んだからと言って劉正礼が月を許す可能性はないじゃない!」
賈?は声を荒げて張遼に怒鳴った。
「ウチは車騎将軍なら月を許すと思うで」
張遼は冷めた目で賈?を見つめていた。その瞳は賈?への哀れみを感じさせた。
「車騎将軍は恋と対峙した時に何て言ったか知っているか?」
張遼の言葉に周囲の視線が集まった。賈?は張遼の前振りがよく理解出来ていない様子だった。董卓も話が見えないが困惑していたが、張遼の様子から何か重要なことと悟った様子だった。
「『呂奉先、お前は董仲穎を殺したいのか。賈文和は引き返すことのできない道を選択した』と言ったそうや」
張遼の衝撃の告白にみんな驚いていた。賈?は凄く狼狽していた。正宗に全て見抜かれていた事実は賈?を凄く動揺させた。
「賈?っち。車騎将軍は全てお見通しやったということや。それでも歩み拠ろうとした。それを台無しにしたのは賈?っちや」
張遼は淡々と言った。彼女の表情からは怒りは一切感じられなかった。他の面々の視線が賈?に向く。最初に口を開いたのは董卓だった。
「待ってみんな。詠ちゃんに頼りすぎた私にも責任がある。許してあげてとは言わない。でも、詠ちゃんが死ねばいいなんて言わないで上げて」
董卓は哀しい表情で瞳に涙を溜め皆に訴えた。その後、董卓は賈?を見た。
「詠ちゃん、どうして車騎将軍の話を相談してくれなかったの。私は会いたかった。どうして?」
董卓の哀しみに満ちた表情に賈?は表情を曇らせ視線を落とし黙ってしまった。賈?は董卓が天下を獲ることを最上の目的でないことを重々承知していからこそ、「月に天下を取らせたかった」などと自分の夢を口にできなかった。
「詠ちゃん、教えてちょうだい。私は詠ちゃんの口から聞きたいの」
董卓は涙を溜めた瞳で賈?を見た。
「私は月に天下を差配して欲しかったの」
賈?は徐にゆっくりと口を開いた。
「私は月に天下を差配して欲しかったの。月が劉正礼の下で働くなんて堪えられない。月は大陸を治める器が十分にあるはず」
賈?が言い終わると董卓は賈?の頬を叩いた。乾いた音が部屋に響いた。賈?は何をされたか一瞬分からなかった、じわじわと痛む左頬に手をやり董卓に叩かれたことを自覚した。賈?が呆けた表情で顔を董卓に向けた。董卓は泣いていた。
「そんなことのために多くの罪の無い人を殺めたの」
董卓は震える声で賈?に失望している様子だった。賈?は董卓の悲しむ姿を正視できず視線を逸らした。
「みんな、一生懸命生きているの。私はみんなが安心して暮らせるようにしてあげたかった。その近道が車騎将軍に協力することなら迷うことは無かった」
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