穿いてない
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た。その結果・・・
ヒラッ
切れ目が入ったことで分離しているスカートの後方が、大きくめくり上がった。
「!!」
後ろがめくれ上がったことにようやく気付いた彼はすぐにそれを押さえる。しかし、その時には時すでに遅く、少年の後方に立っていたシェリア、ウェンディ、リオンくん、そして街の人たちは、彼のその部位に視線が集中したまま、固まっていた。
「み・・・見た?」
「う・・・うん・・・」
「ごめん・・・」
「すまん・・・」
シリルはシェリアやジュビアさんのように色白だ。多少日焼けの跡も見受けられるが、恐らく日焼けしようのない部位は真っ白なんだろう。つまり彼は、女性のような膨らみがある白いお尻を、たくさんの人に見られてしまったのである。
「レ〜オ〜ン〜!!」
親の仇でも見るような厳しい目付きでこちらを睨み付ける水竜。これははっきりいって俺がすべて悪い。なので、少年の気が済むようにと、彼の前に立ち、目を瞑り、歯を食い縛る。
「レオンの・・・」
恐らく全力の拳が顔面に突き刺さることだろう。こんなことならマウスピースでもしておくんだった。
「バカァ!!」
そんなことを思っていると、予想とは異なり、頬から痛みが伝わってくることはない。
しかし、ある部位に表現できないような衝撃が入り、猛烈な痛みが股間に走った。
「うおおおっ!!そっちか!!」
まさかそこはないだろうと無警戒だったため、痛みが尋常じゃない。言葉にできない痛みを前に、俺は膝をつき、崩れ落ちるように倒れ込んだ。
「うわああああああん!!もうヤダァ!!」
そして、俺の股間に蹴りを叩き込んだ少年は、涙を溢しながらその場から全力で駆け出していく。
「待って!!シリル!!」
彼の恋人である藍髪の少女は、見えなくなりそうな少年の背中を追いかけていく。
「大丈夫?レオン」
「大丈夫じゃない・・・」
しゃがみこんでこちらの様子を伺っているシェリアに、ピクリとも動けぬままそう答える。
「全く・・・騒がしいやつらだな、お前らは」
そして全ての元凶なのではないかと思われる青年が、ため息交じりにそう言った。本当は同じ痛みを彼にも与えたいところなのだが、最後に見た彼の表情があまりにも清々しかったので、その気持ちを忘れ、少女の肩を借りて帰路へとついたのであった。
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