穿いてない
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「「ズズズズズ」」
あれからどれくらいの時間が経ったのだろうか、リオンくんとジュビア姉に扮したシリルはまだカフェでお茶を楽しんでいる。
その様子を見ているのは俺と牛乳パックにストローを差して啜っているシェリアとウェンディ。てっきり瓶の牛乳を買ってくるのかと思ったら、小さなパック牛乳一つずつと少なめだった。もっとも、二人ともたくさん飲み食いできるわけじゃないからこれくらいが無難なんだろう。成長に影響を及ぼすとはとても思えないけど。
「あ!!」
「お店出るみたいだよ!!」
まだ時間的に昼間だし、一度休憩でもしようかと思ったその時、二人はお会計をしにレジに向かって歩き出す。その姿を確認した俺たちは、早めに茂みの中へと隠れて彼らが現れるのを息を潜めて待つことにする。
会計を終えた二人は笑顔を見せながら店から出てくる。その際、シリルは気を使ってなのか、店に入る前と同じように腕を組み、偽物の胸を押し付けている。
「なんでジュビアさんってあんなに大きいのかな?」
「シェリー姉も大きいよね・・・」
シリルが変装しているジュビア姉といとこであるシェリーさんのことを考えているウェンディとシェリア。二人は相当悩んでいるようだけど、大人になれば相応の大きさになるんじゃないだろうか?よくわからないけど。
「それで、このあとはどうするんですか?」
「まだ見せたいものがたくさんあるからな、どこに行こうか」
シリルも嫌々だったのに、いつの間にかすごく楽しそうだ。もしかしたら、リオンくんに紹介してもらったところをウェンディと回ろうとか考えてるのかな?それなら彼にも付き合う理由があるから、リオンくんに付いていこうと考えるのもうなずける。
ビュッ
草むらからシリルたちを監視していると、不意に強い風が辺りに吹き付ける。
フワァッ
その際、シリルの着ているドレスのスカートに入っているカットから風が侵入し、スカートを持ち上げようとしていた。
「ひゃっ!!」
太ももの半ばまで上がったところで少年の反応が追い付き、彼は急いでスカートの裾を抑える。
「大丈夫か?」
「はい、大丈夫ですよ」
裾を正している少女にリオンくんが声をかける。彼は恥ずかしさに頬を赤くしていたが、見えた訳ではないので気にしてはいないようだ。
「ねぇ、聞きたいことがあるんだけど」
また元通りに歩き始めた彼らを見ていると、隣から幼馴染みに声をかけられる。
「何?」
「なんでシリルの下着見えないの?」
この言葉だけ聞くと変態のように聞こえるが、決してそうではない。なぜならシェリアの疑問はもっともだからだ。
ジュビア姉は長袖に足の甲に届くほどの長い丈のスカートを履いている。しかし、彼女の服装は男から見れば相当にセ
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