第45話 脅迫
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ソリが出現した。
サソリが腕を振り下ろす動作をすると、木山を拘束していた傀儡人形が砂のように崩れ落ちて、木山は自由の身となる。
「ここでは、時間があまり経たん......さて、話して貰うぞ」
木山の額に汗が滲み出た。ゼツの話をしてからサソリの警戒心は一層強くなっている。
圧倒的な力を有するこの少年がここまで敵意を剥き出しに私に訊いている
木山は、先ほど見てしまった悪魔のような光景から生じる恐怖心を必死に抑えながら、息を整えた。
ここで退く訳にはいかない
私の教え子を助ける為には、このサソリという少年の力が必要になってくる
しくじれば殺されるかもしれないが......覚悟はしている
「れ、レベルアッパーだ」
「あ?!」
「君が使ったレベルアッパーのえ、影響だ。私はそれで一部であるが君の過去を観た」
「な、何!?」
サソリの顔が大きく歪んだ。怯んだかのように一歩木山から退く。
木山は更に畳み掛けた。
「君は人を殺した事があるな。それを人形に造り変えていた」
「!..........」
「私に協力しないと......御坂美琴達に告げるつもりだ。私は、教え子を救う為なら何でもするぞ」
はあはあ、言った
言ってしまった
付け焼き刃の情報にあまりしたことのない、根拠のないハッタリだ
論理も整合性もない酷い言葉の羅列だ
「ククク......」
サソリの身体が小さく震え出した。
「あはははははははははははははははははー!オレを脅迫するつもりか木山?」
木山は、サソリの初めて見る笑いに反射的に身体を強張らせた。
「そ、そうだ......私の言う通りに」
と言った次の瞬間には、サソリは木山の目の前に一瞬で移動していた。
「アホか。この場でお前を殺してしまえば関係ない」
抜手を構えた状態でサソリが冷酷な眼で木山を見据えた。
「私を殺せば君が欲しい『ゼツ』の情報が手に入らないが良いのか」
木山は一歩も退かずに声を荒げて、対抗した。力では到底敵わない相手。
危ない橋は、もう渡り始めている。
ここまで来たら引き返すことはできない。
「.........」
「.........」
木山とサソリは互いに睨み付けあった。身体を震わしながらもサソリを真っ直ぐ見つめている。
サソリは黙ったまま構えていた抜手を突き出した。
木山は思わず目を瞑ってしまうが、予期していた衝撃とは違った。
コツン
サソリの指先が木山の額を軽く弾いた。
「?」
「気に入った」
サソリはうすら笑みを浮かべながら、はだけた外套を直した。
木山は腰が抜けたかのように崩れるように座り込んだ。
「お前の覚悟に免じて脅迫されてやるよ」
サソリの言葉を皮切りに世界が融けてい
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