暁 〜小説投稿サイト〜
IS―インフィニット・ストラトス 最強に魅せられた少女
第5話 私、織斑で遊びます。
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織斑が突進してくる。接触まであと一秒、0,8…0,5…0,2…………ここっ!!
「おおおおお!!!」
気合いとともに振るわれた一閃、それは私の髪の毛を何本か巻き込んで、虚空を空振りした。直前でPICを解除したのだ。突然真下に沈み込むように動いた私を、織斑は捉えられなかったようだ。
私はPICの再起動と同時にスラスターで背後に回る。私が《血染紅葉》を振り抜くのと、彼が振り返り、雪片弐型を滑り込ませるのはほぼ同時だった。
ガキイィィン
甲高い音がして、二振りの刀が宙を舞った。
一夏視点
《雪片弐型》を吹っ飛ばされた。でも、相手も刀を手離している。取りに向かう事は出来ない、ならば………
「はっ!!」
拳で勝負だ!!
右の拳を振りかぶり、全力の一撃を繰り出す。殴り合いなら、リーチがある分俺の方が有利!
と、思った時にはもう、神宮寺さんの姿はなかった。
ゴッ
腹に鈍い衝撃、食らってから膝だと分かった。
次の瞬間には彼女は俺の上にいて、右足を振り上げていた。その足には薄青いエネルギーの膜がある。斥力バリアだろう。
そして、それが俺の脳天に容赦無く振り下ろされた。綺麗にきまった踵落としに、ISの搭乗者保護があっても気を失いかけた。次いで、地面に強かに打ち付けられる。
見ると、どういう訳か神宮寺さんも降りて来ている。くそっ!まだ終わってない!!
立ち上がろうとした俺の背中を、衝撃が襲う。同時に試合終了のブザー。
「え………?」
何で!?神宮寺さんは何も!?
その疑問は、背中を見れば氷解した。
性格には、背中に突き刺さる、《雪片弐型》と《血染紅葉》を見れば。
落ちて来たのが刺さったのだ。恐らく彼女は、最初からそのつもりで、落とす場所すら調整したのだろう。
完敗だった。俺の敗北を告げる無感動な機械音声を聞いてそう、実感した。
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