7部分:第六話
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第六話
第六話 美奈子の秘密!?
美奈子は音楽に関することなら何でも得意、ピアノも笛も何でもできる。
特に歌では誰にも負けたことがない。今日のコンクールでも見事優勝した。
「おめでとう、美奈子」
華奈子が姉に祝福の言葉をかける。
「また優勝したね」
「ありがと」
美奈子はにこりと笑ってそれに応える。その手には大きなトロフィーがある。
「これで何度目だったっけ。優勝」
「八つ目だったかしら」
考え込みながらそう答える。
「またお家に飾るものが増えたね」
「うん」
華奈子もトロフィーをもらっていないわけではない。彼女はスポーツで取っている。結果として家は二人が取ったメダルやトロフィーで一杯であった。
二人は並んで家に帰った。歩きながら話をしている。
「そっちのクラスどう?」
華奈子は美奈子にそう尋ねてきた。
「楽しい?」
「ええ」
美奈子は笑って頷いた。二人の通っている学校は六つのクラスがあり二人はそれぞれ別のクラスにいるのである。華奈子の魔法塾のクラスメイト達もそれぞれ違うクラスだ。
「とっても」
「いじめたりする奴いない?」
「いないわよ、そんなの」
「そう、だったらいいけど」
華奈子はそれを聞いてとりあえずは安心した。
「けれど何かあったらあたしに言ってね」
そしてこう付け加えた。
「美奈子をいじめる奴は誰でも許さないんだから」
華奈子に比べて大人しめで運動もあまり得意ではない美奈子は幼い頃よくいじめられた。そんな美奈子をかばっていつも喧嘩をしていたのが華奈子であった。泣いて家に帰ってきた美奈子を見て飛び出て行ったこともある。泣き虫の姉にそれをかばう妹、二人はそんな関係だった。
「ありがと、けど大丈夫だから」
「いいの?」
「うん。うちのクラスは平和だし」
そして言った。
「私もね。色々あるから」
「色々!?」
華奈子はその言葉に反応した。
「何かあるの!?」
「あ、いや」
妹の突っ込みに言葉を濁した。
「何でもないわ。気にしないで」
「前もそんなの言ってたような気がするけど」
「気のせいよ、気のせい」
「そうかなあ」
「そうよ、そう。だから忘れて」
「うん」
華奈子は何だかわからないままそれに頷いた。
「まあいいや。それよりね」
「何!?」
「今夜お母さんご馳走作ってくれるよ。美奈子が優勝したらご馳走作ってくれるって言ってたし」
「何だろう」
「ステーキだったりしてね。それもでっかいの」
「ステーキ!?」
美奈子の目の色が変わった。ステーキは二人の好物だったのだ。
「ポタージュとね。あとトマトのサラダ」
これは華奈子の好物である。
「デザートにはコーヒーゼリー」
こ
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