第16話(1章終了)
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6月29日――――
翌日、トリスタに帰還するリィン達はゼクス中将やラカン達に見送られようとしていた。
〜ゼンダー門〜
「皆さん……お世話になりました。」
「本当に……何てお礼を言ったらいいか。」
「うふふ、ノルドの人達にはたくさんお世話になったのだからこのくらいの恩返しは当たり前よ。」
「ああ、目に見えぬ色々なものを貰ったような気分だ。」
「……………………」
リィン達がそれぞれ感謝の言葉を述べている中、ガイウスは静かな表情で黙って家族を見つめた。
「ふふっ、ありがとう。」
「ガイウスあんちゃん……リィンくんにユーシスくんも…………ふえええっ……」
「ああもうリリ……ベソをかくなって。」
リィン達の感謝の言葉にファトマは微笑み、泣き始めたリリを見たトーマは苦笑しながら慰めていた。
「リリ、トーマも色々とありがとうな。」
「……世話になった。礼を言わせてもらうぞ。」
「リィンさん、ユーシスさん……」
「また休暇の時はこちらへ戻ってくる。トーマ、それまでみんなの事を頼んだぞ。」
「うん、あんちゃん!」
ガイウスの言葉にトーマは力強く頷いた。
「アリサさん、レンさん……ありがとうございました。」
「ふふっ……お菓子とかお洒落のこととか、色々な話ができたわね。」
「お茶や薬のレシピもありがとう。いつか再会する時があれば、今度はレンがお茶を御馳走するわね。」
「ぐすっ……はいっ!」
アリサとレンとの別れを惜しむシーダは涙を見せて力強く頷いた。
「……フフ……」
「ハハ、どうやら実りの多い実習だったようだな。」
子供達の様子をラカンとゼクス中将は微笑ましそうに見守り
「ええ、そうみたいですね。」
ゼクス中将の言葉にサラ教官は頷いた。
「しっかし、シャロンちゃんに会えたのもラッキーじゃが……そちらのサラ教官もベッピンさんで素敵じゃの〜。」
「あら……!もう、お上手ですねぇ♪うーん、もう少し若ければ結構タイプなんだけど……」
グエンに容姿を褒められたサラ教官は嬉しそうな表情をした後真剣な表情でグエンを見つめ
「サ、サラ教官!お祖父様も、お別れの時くらい、真面目にやってください!」
アリサはサラ教官を睨んだ後グエンを睨んだ。
「スマンスマン、ついクセで。―――なあ、アリサや。どうやら少しは何かが掴めたようじゃの?」
「……はい。母様のことはともかく……お祖父様がラインフォルトから離れた理由はわかりました。」
「ほう……?」
アリサの口から出た意外な言葉を聞いたグエンは目を丸くした。
「小さい頃
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