第16話(1章終了)
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強く頷いた。
「お、お祖父様ったら……」
リィン達に自分の事を頼んだ祖父の過保護にアリサは苦笑したが
「後はそうじゃな……―――ああいう鈍感な者には積極的にアタックをせねば、他の積極的な女性にすぐに取られるかもしれんぞ?」
「なっ!?」
「あら♪」
リィンに視線を向けた後口元に笑みを浮かべて自分を見つめるグエンの言葉を聞いて顔を真っ赤にし、シャロンは目を輝かせた。
「ワシも年じゃし、できれば曾孫を早く見たいのじゃがの〜。」
「うふふ、私もできれば早くアリサお嬢様が産んだお子様のお世話をしたいですわ♪」
そしてグエンはからかいの表情のシャロンと共にリィンに意味ありげな視線を向け
「お、お祖父様ッ!!シャロンッ!!」
(……?何でそこで二人とも俺を見たんだろうな?)
顔を真っ赤にしたアリサが二人を睨んで怒鳴っている中リィンは不思議そうな表情でレン達に訊ねた。
(フフ……それは自分で気付くべきだな。)
(……阿呆が。今の話を聞いた上であんな露骨に視線を向けられていながらわからないとは、相当重症だな。)
(うふふ、ロイドお兄さんやエステルとも並ぶ鈍感さね。)
リィンに尋ねられたガイウスは静かな笑みを浮かべ、ユーシスは呆れ、レンは意味ありげな笑みを浮かべていた。
「しっかし、シャロンちゃんにはもう少し居てもらいたかったのう。どうじゃ、少しだけ残ってワシの面倒を見る気はないかの?」
「ふふっ、申し訳ありません。皆様のお世話がありますので。」
「ガーン!」
シャロンにやんわりと断られたグエンは本気でショックを受けて肩を落とした。
「もう、お祖父様!」
「フフ……―――そろそろ時間だ。ホームに向かうがいいだろう。」
「……はい。中将もお元気で。」
こうして……戦争の勃発を止めたリィン達は無事特別実習を終え、トリスタへと帰還した―――――
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