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第六十七話
第六十七話 春奈の切り札
春奈は魔法を使っていた。何と自分達の周りに色とりどりのシャボン玉を浮かせていたのだ。
それはふわふわと春奈達の周りを漂う。そして場を華やかなものにしていた。
「春奈ちゃん、やるわね」
華奈子はそれを見て闘志を燃やした。
「そうこなくっちゃ。あたしもやりがいがあるわ」
「やりがいがあるって」
クラスメイトはそんな彼女を見て心配になってきた。
「どうするのよ」
「流石に魔法まで使われたら勝ち目はないわよ」
「何言ってるのよ」
華奈子はそんなクラスメイト達に対して言い返した。
「それならあたしだってやってやるわよ」
「やってやるって」
「あんた別の魔法でしょ」
「まあ見てなさいって」
そう言うとステッキを取り出した。
「これをこうやって」
魔法を唱える。そして火を取り出した。
「これで。やってやるわよ」
それは無数の炎の輪であった。それを激しい動きで華奈子達の周りに回転させる。
「これでどうかしら」
「うわ」
クラスメイト達は激しい動きで跳ね回る炎の車輪を見て驚きの声をあげた。
「また派手な」
「どう、これなら負けないでしょ」
「それはどうかしら」
「何かあるの?」
「あれを見て」
見れば他の三人も魔法を使っていた。
赤音は光を所々に跳ね回らせていた。美樹は風でポンポンを宙に回せている。そしてその他の華やかなものをありったけ舞わしている。
そして梨花は大地を動かした。それで段差を作りクラスメイト達をそこで激しく動かしているのだ。当然その中には梨花自身も含まれていた。
「やるわね、皆」
だがそれを見ても華奈子はまだ笑っていた。春奈にしろ今度は水芸まで見せている。
「そうこなくっちゃ」
「ということはまだ何か考えがあるのね」
「うん」
華奈子は頷いた。
「このポンポンをこうやって」
それに火を点ける。
「こうするのよ。これならどうかしら」
「できるのはあんたしかいないけれど」
クラスメイト達がクレームをつける。
「それでもいいというのならやったら?」
「わかったわ」
何とそれに乗ってきた。
「それじゃあやるわね」
「ええ、頼むわ」
「魔法となったらうちにクラスにはあんたしかいないんだから」
「よし」
華奈子に気合が入った。そして炎のポンポンを自在に操りながら動き回る。応援はそれぞれ魔法まで使った派手なものとなっていた。だがそれを苦々しい目で見る少女がいた。
第六十七話 完
2005・11・24
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