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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第13話『ギルド』
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つ拡大しているのかと頭が痛くなる。

 ──しかし、だとすれば間違いなく正義は今目の前に居る彼らにある。情報が足りないながらも、そう断言出来る。

 そして、"アレ"と自分達から戦いを始めるとは考え難い。だとすれば、考えられるのは――。

「……何をされた?」

「……ついて来い。……アンタ、元『対魔傭兵(リ・メイカー)』なんだよな。出来れば、アンタにも力を貸して欲しい。報酬は満足とは言えないが……」

 男が周囲の村人達にアイコンタクトを送り、周囲の人々も一つ頷いて解散する。それぞれ全く別のルートに散っていくが、どうにも帰還命令には見えない。予想するならば、全員が別々のルートから目的地に向かっている。──と考えるのが妥当だろう。
 一つ頷きを返して、男の後に続く。ここまで村の人々が徹底しているとなると、只事ではないのは明白だ。これからのスィーラの安全の確保の為にも、あらゆる手に入れられる情報は頭に叩き込んでおく必要がある。
 その過程で彼らの力が必要になるのならば、彼らに協力しておくのも後の為になる。

「――分かった。出来る限りは、力を貸そう」

 ジークは、一先ずの方針を確定することにした。










 ◇ ◇ ◇














 ──閃光が、爆ぜた。




「――ッ、ぉ"、オお"ぁァッ!」

 左右からギロチンの様に迫る"ソレ"の片側を、即座に腕を跳ね上げる事により、その朱色の刃を煌めかせた槍で弾き飛ばす。軌道のズレた"ソレ"の下に滑り込むように反対側から迫る死を回避し、そのまま地面に槍を叩きつけることにより、反動を生み出して宙に逃れた。
 その衝撃で跳ねた土くれを隠れ蓑に、未だ彼の四方を高速で動き続ける鎖を槍先で弾き、コンマ数秒遅れで彼にその刃を叩きつけようとしていた巨大な鉄塊のような"ソレ"を外させる。

 が、それでも死神は彼を逃さない。

 間髪入れずに天上からドス黒い雨が降り注ぎ、それを直前で察知した彼は直ぐに槍を頭上で高速で回転。黒い雨を的確に弾き落としていく。が、それでも雨は槍を持つ手に触れ、その指にゆっくりと染み込み、雨によって黒く変色した肌を溶かし、溶かされた肌の先に露わになった肉を灼き、ボロボロになった肉塊を削ぎ落とした末に、中枢の骨を侵食した。

 どろり、と『肉だったモノ』が腕を伝い、肩ほどにまで垂れてくる。手に込めていたはずの力は当然のように失われ、槍を持っていられなくなった手はその指の活動を止めた。
 慣性に従って跳ね飛ばされた槍は遥か後方の黒く染まった大地に転がり、壁を失った漆黒の雨は彼の体に降り注ぐ。
 黒の雨は彼の指を溶かした時と同じように、彼の背を、腕を、腹を、足を、顔を、
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