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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第13話『ギルド』
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モノは使う。資格を捨てた身とはいえ、何かしら役立つというのなら何の躊躇いも無しに権力を行使しよう。その決意に未だ鈍りは無い。
受け取ったエムブレムをしっかりと観察した男は、ジークにエムブレムを投げ返し、「確かに確認した」と一言答えて剣を仕舞う。男が敵意を抑えるその様子を見た村人達も、ホッと安心したように警戒を解いた。
剣を収めた男は先程と打って変わり、人の良さそうな顔を見せて両手を合わせつつ、謝罪の意を示すように頭を下げた。
「すまんな、いきなり囲んで悪かった。いやなに、丁度最近ギルドの連中といざこざがあったもんでな。ギルドの斥候を見逃すわけには行かないんだ」
「……この惨状も、その結果か?」
ギルドの内装はズタボロで、とても人が暮らせる環境ではなかった。何事か戦闘でもあったのだろうが、あそこまでやるとなると相当ないざこざがあったのかと興味が沸くのが、人の常というものか。
ギルド内に血痕らしきものは見つからなかった。となると、特に大きな傷を負ってしまった負傷者は居ない筈だと、軽く息を吐く。
「そういう事になるな。
上の方
(
上層部
)
は知らないだろうが、今この村と……いや、アルスの街の騎士団長が率いる連合軍は、ギルドは真正面から敵対関係にある」
「何があってそんな事になったんだよ、ギルドと敵対って……よっぽどだぞ?」
ギルドはその規模だけで言えば、『
対魔傭兵
(
リ・メイカー
)
』すら軽く越えてしまうほどの大規模な傭兵軍団。個人依頼解決冒険者育成機関『ギルド』は、それはそれは巨大な組織なのだ。
まず並の国では、対抗すらロクに出来ずに滅ぼされてしまう程に。
S級からE級冒険者まで振り分けられ、その能力に応じた仕事を依頼するギルドは、常に冒険者の技能を高められるように依頼を勧めていく。それ故に冒険者達の腕の上達も早く、S級冒険者ともなると『
対魔傭兵
(
リ・メイカー
)
』ですら対抗できない者も少なくはない。
『
対魔傭兵
(
リ・メイカー
)
』にのみ与えられた
神話の遺産
(
アドバンテージ
)
は、高位の冒険者にのみ与えられた
アーティファクト
(
アドバンテージ
)
によって打ち消される。
それほどの大規模機関が敵に回って未だ彼らが無事である事が、ジークにとっては不自然極まりなかった。
「勿論、ギルド全てが敵に回った訳じゃないさ。敵対してるのはギルドの一部だけ──正確には、『唯神教』の息が掛かってる特定の範囲だけ」
「……あぁ、成る程」
全て合点がいった。理解した。あの『唯神教』が関わっているというのならば、彼らが小規模ながらギルドと敵対するのもおかしくはないだろう。"アレ"に属する狂人達を、決してジークは理解できないししようとも思わない。
全く、何故あんな宗教が生まれ、今もその勢力を少しず
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