牛乳買ってくる
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シリルside
「ハァ・・・」
ギルドのカウンターで一人ため息をついている銀髪の青年。彼は今日俺たちがギルドに来た時からずっとこの調子だ。普段の威厳のある姿は微塵もなく、まるでうつ病にでもなってしまったかのような元気のなさだ。
「ねぇ、あれどうしたの?」
彼がいるその場所以外は活気があり、皆さんワイワイとしているのだけど、そのせいでより彼の周囲の空気が淀んでいるように感じる。その変わりようが気になって仕方のなかったシェリアが、そばにいたユウカさんに声をかける。
「詳しいことは知らないんだが・・・」
「朝からずっとあんなだったよ!!」
「キレんなよ」
しかし、リオンさんはギルドに来た時からあの調子だったらしく、理由は誰も知らないみたいだ。理由がわからないんじゃどうしようもないと諦めたいところなんだけど、さすがにあの状態の彼を放っておくのは気が引ける。
「ちょっと待ってろ」
すると、見かねた青年のいとこが席を立ち、誰も近付けないようなオーラを放っている彼の元に歩み寄っていく。
「すげぇなレオン」
「無神経さNo.1だね」
「鈍感とも言うけどね」
普通なら誰も近づかないような様子の青年の隣の席に何の躊躇いもなく腰かける少年を見て、その場にいた三人の魔導士はそう言う。
「シャルルたちなら隠れて近付けたかもね」
「いないものはしょうがないよ」
俺たちの相棒であるエクシードたちなら、小柄だからリオンさんに気付かれずに接近してあの落ち込みようの原因を調べることができたかもしれない。
しかし、今は三人ともどこかに行っており、頼ることができないのが現状だ。
「あ!!」
「戻ってきた!!」
しばらくすると、原因の解明が終わったらしくレオンがそそくさと戻ってくるのが目に入る。彼は元いた席に腰かけると、聞こえないようにと配慮してなのか、俺たちに顔を近付けるように指示を出す。
「それで?」
「なんでリオンあんなに落ち込んでたの?」
俺とシェリアが彼が落ち込んでいる理由を聞くと、レオンは一瞬笑いそうになった後、言葉を紡ぐ。
「ジュビア姉に会えなくて寂しいんだって」
「な・・・なるほど」
聞いてみるとわからなくはない理由だったな。リオンさんはグレイさんのことが大好きなジュビアさんに惚れている。大魔闘演武の打ち上げでアプローチをやめると言っていたらしいが、気持ちは止めることができずにいるらしい。以前の留学の際には、グレイさんとジュビアさんの結婚式の日付のことで大喧嘩をしていたそうだしね。
「でもそれってどうしようもないよね?」
「ジュビアさんの居場所は私たちも知らないし・・・」
「このまま放置するしかないのかな?」
原因はわかったのだが、解決策が一切
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