機動戦艦ナデシコ
1407話
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それは理解していないのか。
けど、新型艦とナデシコがお互いに動けないというのは、寧ろこっち側にとって有利な展開ではある。
今までならナデシコ以外の戦艦と討伐軍の戦艦は同じ種類であり、練度に関しても元々が同じ連合軍所属の者が多いのだから、そう大差はなかっただろう。
だが……今は俺達シャドウミラーがいる。
どう考えても、向こうに取っては致命的な存在の俺達が。
視線を戦闘が行われている方へと向けると、戦闘機やエステバリスも含めてお互いに大きな戦いが……うん?
「何だ?」
『敵賊軍、戦闘を終息させて引いていきます!』
不意に聞こえてきたメグミの報告。
それは別に俺へと報告をした訳ではなく、ユリカへと報告する祭にそのついで通信の繋がっていたニーズヘッグにも聞こえてきたのだろう。
だが、この状況で撤退? いや、それ自体は正しい。
先程までならナデシコという強力な戦力を押さえている事が出来、それ故に互角に戦う事が出来ていた。
しかし……今はこちらの戦力に俺達シャドウミラーがいる。
どう考えても、向こうに取っては致命的な俺達の存在が。
それでもシロガネに乗って転移してきたならまだしも、こうして機体だけで転移してきた俺達を見つけ……いや、そもそもシステムXNで戦場のど真ん中に転移して来たんだから、どうやっても目立つか。
向こうも俺達を見つけるのは決して難しい訳じゃなかった筈だ。
それでも、現在の状況でよく撤退を決断出来たな。
本隊壊滅の報が入ったのか?
それと俺達の存在で勝ち目がないと判断して撤退を決断した。……だとすれば、それなりに高い状況判断能力を持っているという事になる。
そして当然その高い能力を持っている奴がどこにいるのかと言えば……普通に考えれば、新型艦だろう。
だとすれば、ここでその新型艦を見逃すようなことはない。
元々あの新型艦は沈めるが拿捕する予定だったが、ここは沈めさせて貰った方がいい。
ヒュドラに内蔵されている中でも、強力な威力を持つメガ・バスターキャノンの砲口を新型艦へと向ける。
「ナデシコ、これから敵新型艦を撃破する。その隙にお前達は他の敵を沈め……」
『待って下さい!』
沈めろ。そう告げようとした俺の言葉を遮るように、そんな声が響き渡った。
この声を出したのがユリカであれば、もしくはメグミといった者達であればそこまでは驚かなかっただろう。
だが、その声を出したのが普段は物静かなルリであるとなれば、話は別だった。
普段大人しいルリだからこそ、その叫びに切羽詰まった様子を窺う事は出来る。
メガ・バスターキャノンの発射をキャンセルしつつ、口を開く。
「どういう意味だ? ここで上手くいけば敵を撃破出来るチャンスなんだぞ。それも、恐
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