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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第十七話 作戦開始日前日
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力をもって戦うのが私たち重巡洋艦なのだから。」
「だよな。あ〜あ、妙高や利根、最上たちがいれば、よかったんだけどな。」
「仕方ないでしょう?各鎮守府の守りは手薄にできないし。私はさっきああいったけれど、今回の戦いに関してはヤマトは最大限動員できる人数を出したわ。」
「ま、他の重巡がいなくてもこの麻耶様がいる限りは、敵に好きなようにはさせないけれどな!」
高雄には妹の豪放さと能天気さが羨ましかった。その差は紙一重のものであっても、違いは歴然としているものなのかもしれないが、なぜか高雄には妹にこれらの性質がすべて同居しているように思えるのだ。そして、妹には他の感情も内在している。それこそが自分に会いに来た本当の理由だということを高雄は知っていた。
高雄が目を細めた時、休養室の自動ドアが開いて、新しい艦娘が姿を現した。
「あらあら、二人して何のお話?」
愛宕は二人の姉妹に笑顔を振り向けながら入ってきた。
「愛宕姉貴!あぁ、今回の作戦について高雄姉貴と話してたんだ。姉貴はどう思う?」
「私はあまり考えないようにしているわ。考えすぎると体に毒ですもの。私が考えるのは戦いには勝つこと、そして、自分と自分の部隊の子たちを無事に返すこと。それだけよ。」
愛宕は「それだけよ。」を優しく麻耶に言い聞かせるようにしていった。
「ちぇっ、愛宕姉貴にかかるとどんなシビアな話もつまらねえ単純な話になっちまうんだから、嫌になるな。」
「いいのよ。単純な方が、頭を使わなくて済むもの。」
麻耶はあきれ顔をした。
「ったく姉貴はいつもそうなんだから。なんか張り合いがなくなっちまったな。」
「大丈夫よ。ちゃんと戦闘の時は仕事はするから。」
「はいはい。わかったよ。ん?そういえば鳥海は?」
「あの子なら自分の艤装を点検して、少し本を読んで、その後仮眠するって言ってたわよ。」
「ふうん・・・。なら、アタシもそうするかな。戦い前に寝だめでもしないと、持たないからな。」
じゃあな、姉貴たち。と麻耶は立ち上がり、手を上げて休養室を出ていった。入れ替わりに愛宕が高雄のそばに座る。
「あの子はあれで不安だったようね。自分のことも、そしてあなたや私、鳥海、みんなのことが。だからまずあなたに会いに来たんだわ。」
愛宕は高雄型2番艦であるが、起工日時は高雄より先行していることもあって、二人は年の差がある姉妹というよりは双子の様な仲だった。
「知っていたの?」
「だって私はあの子の姉ですもの。ふふふっ。」
愛宕はほんわりと笑ったので、高雄もつられて相好を崩していた。
「あの子はああ見えて不器用なところがあるから、自分が一番言いたいことを言えないでいるのだわ。姉としてはそこが不安な点なのだけれど、あなたがいてくれるから大丈夫ね。」
「高雄?」
愛宕が微笑を消して、高
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