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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十五話 意地と意地のぶつかり合いです。
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 戦いは続いている――。

 帝国軍本隊3万隻は同盟軍左翼艦隊を突破した後、ジョウカイ進撃をつづけ、一路同盟軍本隊を直撃しようとしていた。同盟軍本隊は1万隻、帝国軍本隊は3万隻、数の上では圧倒的に帝国軍に有利である。

 その有利さをビリデルリング元帥は最大限に活かそうと、全艦隊に最大戦速で突進するように指令していた。既に展開させた偵察艦隊によって、敵の本隊の位置を割り出すことに成功していたのである。

「進めェッ!!!敵の位置は知れたわ!!!数では圧倒的にわが方に有利じゃぞ!!敵の総司令官を討ち取った者には特進が待っておるぞ!!」

 元帥の叱咤激励は全軍に染みわたり、各艦隊は手柄を真っ先にたてようと我先に猛進し始めた。

『元帥閣下、少し全軍の速度が速すぎはしませんか?』

 副司令長官ミュッケンベルガー大将の献言を、この猛攻型の老将軍は良しとしなかった。

「何を言うか!敵の陣容が薄い今こそ、速攻撃破する好機ではないか!多少の敵の妨害など織り込み済みであるわ!!それを勢いに任せて蹴散らすことこそ、わが艦隊の本領よ!!」
『ですが、ここに来たからこそは今一つ慎重に――』
「ええい!!うるさいわ!!若造めが!!それほどまでに自重したければ、儂が先鋒を務めるッ!!貴様は後方にあって、周囲を警戒しておれッ!!」
『イノシシ武者の様に突き進むだけが、艦隊戦ではありませんぞ!!』

 ミュッケンベルガー大将も剛の人だった。闘将猛将全開オーラのビリデルリング元帥の陰に隠れてしまうのは否めなかったが、それでもいうべきことは信念をもって言う人である。

「ええ、くそっ!!!・・・・」

 ビリデルリング元帥は舌打ちしたが、さすがにミュッケンベルガー大将の忠告を無視するほど頑迷な人でもなかった。偵察艦隊からの報告があるとはいえ、敵は伏兵を置いているかもしれないし、先ほど突破した敵の艦隊がこちらの動きをすでに伝えているかもしれない。敵の増援が接近しつつあることは十分可能性としてはあるのである。

「わかったわッ!!少し艦隊の速度を落とし、隊列を整える!!これでよいかッ!?」

 ビリデルリング元帥の駄々っ子のような剣幕にミュッケンベルガー大将は苦笑をかみ殺して、うなずいた。

『お聞き入れくださり、ありがとうございます』
「フン!!」

 そう言ったきり、ビリデルリング元帥は通信を切ってしまった。

「なにもあそこまで意固地におなりにならんでもよいではありませんか」

 そう言ったのは、総参謀長のリュフトバッフェル大将であった。片や元帥、片や大将ではあるが、この二人、士官学校の同期であり、リュフトバッフェル大将もまたたたき上げの軍人であった。

「ナァに、構わんのだ。あの若造が儂に向かって反抗するよ
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