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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十五話 意地と意地のぶつかり合いです。
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艦隊は、5万隻以上。しかも3方向からの同時攻撃である。差はあっという間に逆転してしまったのである。状況は刻々と悪くなる一方だった。ビリデルリング元帥とミュッケンベルガー大将の指揮の元かろうじて指揮系統は保たれているが、もはや崩壊まで時間の問題であった。
その直後、ビリデルリング元帥から指令が来た。曰く――。
「本艦が最後尾にあって殿をする。青二才の貴様に殿は任せられん。速やかに艦隊をまとめ、一路イゼルローン要塞に引き返すべし」
であった。つまり、指揮権の委譲を暗に意味している。その指令を聞いた誰しもが司令長官の戦死を脳裏に描いた。そしてそれはあの元帥閣下の気質ならば当然のことだと誰しもが思っていた。こういっては何だが、負けてすごすごと犬の様に引っ込むよりも、華やかに戦って戦死を遂げた方がビリデルリング元帥の気質にかなっているのではないかと。
「やむをえん・・・・・」
ミュッケンベルガー大将の脳裏には今までビリデルリング元帥と出会ってからの日々が通り過ぎていた。コンビを組んで日が浅いが、ビリデルリング元帥のことはずっと以前から知っていた。「若造がッ!!」「青二才がッ!!」などと罵倒されながらも、時には老将の邸に足を運んで、酒を組みかわし、本気で兵法などの議論を行ったりしたものである。
ビリデルリング元帥は猛将であったが、生粋の軍人でもあった。すなわち軍隊こそが生きがいであり趣味であるという人なのである。そのため趣味らしい趣味は持っていなかった。
唯一ミュッケンベルガー大将が知っている元帥の趣味は「囲碁」である。遥か昔中国、そして日本という国ではやった白と黒の石を碁盤にならべ陣取りをする遊戯であるが、ビリデルリング元帥はそれを好んでいた。不思議なことであるが、これほどの猛将が、囲碁となると決して強いわけではない。だが、一手一手を長い時間かけて考えつつ、その合間合間に酒を酌み交わし、話をする。そんな何でもないことがミュッケンベルガーにとって何よりも心休まる一時であったし、老将と語り合うことができる貴重な時間であった。
そんな僚友、いや、大先輩を見捨てていけと言うのか。ミュッケンベルガー大将が沈黙したのは一瞬だったが、その一瞬の中でどれほどの葛藤があったのか、周りの者は知ることができなかった。
「よし、艦隊は私が引き継ぐ。通信主任!!」
ミュッケンベルガーは階下の通信主任に冷厳な顔を向けた。
「ハッ!!」
「総司令官に伝えよ。『帝国軍艦隊ハ不滅ナリ。ソレハ貴艦モマタ同様ナリ。速ヤカ且ツ壮麗ナ武勲ヲ上ゲ、モッテ我艦隊ニ帰投、合流スベク奮戦サレヨ。』・・・以上だ」
誰しもがその裏に隠されている感情を読み取って、こみあげて来る思いをこらえるのに苦労していた。淡々と言ったミュッケンベルガー
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