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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十五話 意地と意地のぶつかり合いです。
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「これはどういうことじゃ!?」

 ビリデルリング元帥は不快さを隠しきらない顔をしている。先ほどまで圧倒的な勢いで攻めたてていた帝国軍に、1万隻の敵は突如陣形を再編して球形陣形にし、徹底した粘り強い防御戦闘に切り替えてきたのである。

「たかが1万隻の敵ではないか!!押して押して押しまくれば、おのずと自壊するわ!!ええい!!不甲斐ないッ!!」

 ビリデルリング元帥は叱咤した。

『総司令官閣下、いったんここは引きましょう。新たな敵が10時方向から急速接近中です。さらに2時方向からも援軍が来つつあります。時間はありますが、ここでとまっていると今度は我々が包囲されてしまいます』

 ミュッケンベルガー大将の意見をビリデルリング元帥はセンブリを10杯飲んだような顔つきで聞いていた。

『お気持ちは十分わかりますが、ここは一時の屈辱にまみれても――』
「ええい!!クソ!!!」

 ビリデルリング元帥は臍をかんだが、総司令官として瞬時に結論を下していた。

「一時撤退じゃ!!余力があるうちに撤退するぞッ!!全軍交戦しながら120光秒地点にまで後退じゃ!!」

 やけくそのように声を張り上げたビリデルリング元帥の指揮下、帝国軍は戦闘行動のまま後退していった。同盟軍艦隊も追いすがろうとしたが、重厚な布陣をもって攻勢と同じレベルで応戦するビリデルリング元帥とミュッケンベルガー大将の艦隊指揮の前に手も足も出ず、立ち見状態であった。このままいけば敵の包囲体制構築前に撤退できるだろうと誰もが思っていた。

「そ、総司令官ッ!!」

 突如索敵主任が司令席を振り返って絶叫した。

「なんじゃい!!」
「は、八時時方向に重力子反応!!だ、大艦隊です!!わ、ワープアウトしてきます!!」
「何ッ!?」

 その方向を振り向いたビリデルリング元帥の眼の先、スクリーンには次々と光点が明滅し、ワープアウトしてくる大艦隊の姿があった。

「間に合ったか。きわどいタイミングだったな」

 シドニー・シトレ大将は第八艦隊旗艦へクトル艦上でヤンを振り返った。シドニー・シトレ大将率いる第八艦隊と、臨時にその麾下に加わっている第十八、第十九、第二十分艦隊合計25000隻は、一糸乱れぬ体制でワープアウトして、敵の側面後方にぴたりと張り付いていたのである。
がら空きになった寸胴にナイフをつきつけたようなものであった。

 彼らは主戦場には参加していない。ブラッドレー大将の思惑の下、迎撃艦隊の後詰として参戦したのである。ブラッドレー大将はいくつもの想定を立てていたが、その中に「帝国軍がジョウカイ進撃を行えば、必ず同盟軍本隊を突く。その際には側面から急速接近し、もって敵の動揺を誘うべし。」と指示していたのだ。
 戦場で第九艦隊が突破され
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