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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十五話 意地と意地のぶつかり合いです。
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敵主砲の光の矢がとび、右隣にいた護衛艦を爆砕してしまったのである。その衝撃波は旗艦にまで達し、大地震にでもあったように艦内が震えた。
悲鳴があちこちから飛び出す。
ロボスの脳裏に初めて「死」という文字が浮かび上がった。後一瞬後には旗艦ごと敵の主砲で打ち抜かれ、爆沈して宇宙に散るのだろう。
ふと、そんなことが頭をよぎった。
「ここまでか・・・・・!」
急に足の力が萎えたのか、ロボスはその肥満した体をどさっと司令官席に預けてしまった。
「総司令官!!」
「司令官閣下ッ!!」
「まだあきらめてはいけません!!」
「閣下!!指揮を!!」
「閣下!!」
周りの幕僚が叱咤激励するが、もはやロボスの顔色は顔面蒼白。先ほど叱咤激励しつつ指揮を執った姿はもはやない。
「閣下ァッ!!!」
ひときわ大きな声がした。それも耳元のど真ん中である。ロボスが蒼白な顔を震わせながら、ゆっくりと見上げると、若い、まだ本当に若い若者が立っていた。10代後半と言ったところか、赤い髪を持つ同盟軍士官だ。ちょっと繊細そうな白面は、端正な顔立ちの部類に入るだろう。
「何をしておられるんですか!!こんなところで座り込んで、ただ殺されるのを待つんですか!?」
誰かが「おい!!総司令官に向かって何たる無礼だ!!口を慎め、若造!!」などと叱っている声をロボスは遠くぼんやりと聞いていた。だが、声の主は諦めない。
「閣下!!しっかりしてください!!いいんですか!?『半ボケ!!』『帝国の女スパイに性病を移された廃人!!』なんて影口を一生叩かれますよ!!!」
とたんにロボスが跳ね起きた。その途端四肢にみずみずしいほどの力が戻ってくるのを感じた。本当に久しぶりだ。ロボスはその余波を思いっきり脇にいる若造に叩き付けた。
「貴様ァッ!!!」
総司令官の渾身の怒声が周囲の人間を直撃する。誰もが震え上がった。だが、当の本人は顔面蒼白になりながらも、その暴風に耐えきっていた。
「よくぞ言った!!その言葉、忘れるなよ!!後で軍法会議にかけてやる!!」
高らかにそう宣言し、次いで思いっきり笑いを響かせたロボスは両腕を振り回した。
「よぉし!!まだ我々は負けたわけではないッ!!ここでせり負けるな!!援軍としてやってくる友軍艦隊に『不甲斐ない総司令部』だと笑われるぞ!!全艦隊球形陣形をとれ!!」
その一言は先ほどまで座り込んでいた半老人とは別人のものであった。肥満体の隅々から総司令官たるオーラが発散され、その声を聴いた艦橋要員も艦隊も高揚していた。
『応ッ!』
という高らかな答えが返り、1万隻の本隊は先ほどまでとは別人のごとく、奮戦しだしたのである。
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