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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十五話 意地と意地のぶつかり合いです。
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うになれば、一人前。そうでなければ、ただのひよっこじゃからのう」
「さようですか、それでは閣下――」
「閣下は余計じゃろうが。昔の様にお前俺、いいや、もうジジイなのじゃから、儂の仲で呼び合うとしよう。どうせここは遮音力場の中。参謀や副官は皆外に出ておる。聞く者もおらんからのう」
「では、お言葉に甘えて――」

 リュフトバッフェル大将はガラッと口ぶりを変えて、

「まさかとは思うが、ここにきて引退を決意するのではあるまいな?」
「そのまさかじゃ。ここまで気負いだけでやってきたが、さすがにそれには限界があるでなぁ。そろそろ後進に譲ろうかと思っておったところじゃ」
「フーム。するとお前さんは、あのミュッケンベルガー大将に後をゆだねるつもりなのじゃな?」
「はて、どうかのう。他にも将官はおるが。ま、それもこれもこの戦いが終わってからじゃがな」

 ビリデルリング元帥はニィッと僚友に笑いかけた。それに笑い返しながら、

「そうじゃな。ジジイが二人、せいぜい帝国の老元帥と老大将の名に恥じないように、戦い抜くとしようか」

 うむ、とビリデルリング元帥は椅子から立ち上がった。たちまちのうちに副官、参謀たちが遮音力場の中に入ってくる。その瞬間は帝国軍本隊が同盟軍本隊をその舳先の真正面に捕えた瞬間でもあった。

「突撃じゃあ!!!敵を一隻たりとも取り逃がすなッ!!!帝国軍宇宙艦隊の名に懸けて、反徒共をこの星域の塵にしてやれッ!!!」

 おうッ!!という高らかな応えを、旗艦はおろか3万隻の全軍が上げた。ビリデルリング元帥は3万隻を凸形陣形にすると、猛速度で突進を開始した。遮るものとて周りにはなく、まっしぐらに真正面の敵の本隊に突き刺さるようにして突撃していったのである。



 同盟軍艦隊本隊 総旗艦アイアース――。
 艦内では緊急警報が鳴り響いていた。あわただしく走り回る靴音が艦内の冷たく無機質な床に虚ろな音を立てつづけている。砲手席に着くもの、レーダー席にかじりつくもの、通信席に飛び込んで、慌てて無電をうち続けるもの、すべてが目の前に出現した敵の大部隊に対して備えを事欠いていたことを示している。

『突破されましたぁ!!』

 というなんとものんびりした調子の間抜けな報告(と通信を傍受した総司令部の人間は皆思っていた。)が第九艦隊から入ったのが、つい6時間前である。原因は通信妨害が激しかったからだと向こうは言うのである。もっとも現実には、ビュンシェ艦隊が完全に突破されてから30分と時間はたっていなかったのだが、報告の調子が総司令部幕僚たちに数時間もほったらかしにしていたかのごとく思わせてしまっていた。

 ロボスとその幕僚たちは血管を破裂させそうになったが、やっとのことで思いとどまり、早く救援にこいと第九艦隊
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