=入試編= シセンセレクト
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くもっと内面的なものであることを察したが、実際にどのような力なのかは見当もつかなかった。
装甲を持って離れた少年はそのまま空中でバランスをとって着地狩りを狙っていた1Pロボットに装甲を投擲。きっちりカメラを直撃した装甲によってロボットは機能を停止した。間髪入れずに少年は残骸を蹴り飛ばしてロボットの足についていたジュラルミンっぽいシールドを3Pロボットに投擲し、自分は別の方向へ走る。目眩ましも兼ねた動きで、その手には着地時に再び拾った煤まみれの装甲を握っている。
2体同時攻撃――誘導してクロスカウンターに持ち込み撃破。
2Pロボットの襲撃――別のロボットが割り込むタイミングを見計らって盾に使い、隙をついて撃破。
挙句、破壊された3Pロボットの不発弾を地雷代わりにロボットの足を潰す。
まるでロボットが次にどう動き、自分がどうすれば最良の結果を得られるか知っているかのようだ。
そしてその全てが、見ている側が不安になるほどギリギリ紙一重の連発だった。動きそのものは手早くはあるが素早くはなく、完璧に見切ってるようでいて余裕らしいものは感じられない。
(滅茶苦茶な突進のようで全部計算尽く、と素直に言えん……あんなのは目的地を目指すために高速道路を逆走するようなもんだぞ)
高速道路の対向車線に無理やり飛び出したら、相対速度百数十キロの車の隙間を縫って運転しなければ事故死するだろう。それは決して不可能なことではないが、現実的に考えて目的地までたどり着ける可能性は極めて低いし別の方法のほうが確実性がある。速度を重きに置くなら合理的だが、安定性の面からみれば合理的ではない。
あの少年がやってるのはつまり、リスクを度外視出来ることが前提の戦いだった。
(………どんな個性か知らんが、あの先読み能力は多対一での戦闘も可能にするものだろう。いや、むしろタイマンの方が尚更厄介だ。どっちにしろこの試験には向いていない………)
あれは生身の人間が出来るロボット撃破方法という意味では一般人より断然早いが、攻撃力の高い個性にははるかに見劣りする。現在合格ラインと思われる生徒と彼には既に20ポイント以上の差がついていた。恐らく、あれは落ちる。
どれほど暴れても、どれだけ死線を掻い潜っても。
少なくとも相沢には、モニター越しの少年が焦燥に駆られているように見えた。
(足掻くだけじゃ届かんものもあるが――さて、名前は……)
ヒーローを本気で目指す人間なら、別のヒーロー専門学校にも滑り止めで入試を受けているかもしれない。だがもしも彼が「雄英」に拘って一般入試での入学も視野に入れているなら、後で調べてみるのもいいかもしれない。
恐ろしくリスキーなのにリスクを感じさせない動きで10Pを超える点を稼いだその少
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