第15話
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いとクロスベル方面に出張してたもんでな。」
「ああ、あの恐いヒトたちの事務所を用意するってアレ?」
「おー、それそれ。」
青年はミリアムと呑気そうな様子で会話をしていた。
「あ、あんたは……」
「フム、軍服を着ておらぬが我らと同じ立場のようだな?」
「―――は、その通りです。帝国軍情報局・特務大尉、レクター・アランドールであります。共和国軍との交渉ルートを担当するために参上いたしました。」
ゼクス中将に尋ねられた青年―――レクター大尉は敬礼して自己紹介をした。
「ええっ……!」
「”帝国軍情報局”…………」
「き、君があの……」
「ふむ、レクター特務大尉か。色々と噂は聞いているが……任せてしまってもよさそうだな?」
リィン達や部下が驚いている中、ゼクス中将は冷静な様子で尋ね
「ええ、既に共和国政府との交渉には入っております。再来月の”通商会議”に向けて無用な対立は避けたい……宰相閣下の意向でもありますので。」
「そうか…………」
レクター大尉の答えを聞いて、僅かに安堵が混じった表情をした。
「宰相閣下……ギリアス・オズボーンか。」
「”鉄血宰相”呼ばれる、革新派のリーダー的な存在、ね。」
「えへへ、顔はコワモテだけど結構楽しいオジサンだけどね。」
「――ま、そういうワケなんで後は情報局に任せときな。そうそう、そのガキンチョが世話になったみたいで感謝だぜぇ。」
「ぶーぶー、ガキンチョ言うな。」
リィン達に礼を言うレクター大尉の言葉に頬を膨らませたミリアムはレクター大尉の隣に来てリィン達を見つめ
「――まあいいや。それじゃあ、みんなバイバイ♪すっごく楽しかったからまた会えると嬉しいな!」
「お、おい……」
「ちょっと……!」
リィン達に別れの言葉を告げてレクター大尉と共にその場から去った。
「な、なによもう……あっさりと行っちゃって。」
「”帝国軍情報局”……正規軍の情報機関だったわよね?」
「フン、情報機関というより諜報機関と言うべきだろう。”鉄道憲兵隊”と並んで各地の領邦軍からは最大限に警戒されている組織だぞ。」
「やっぱりそうか……」
「あんな小さい子が軍の機関の所属なんて……」
ユーシスの話を聞いたリィンは納得した様子で頷き、アリサは驚きの表情で呟いた。
「ふむ……なるほどな。今のが宰相直属と言われる”鉄血の子供達”か。」
「”鉄血の子供達”……」
「噂では、宰相閣下が拾い上げた特別な才能を持つ若者たちらしい。情報局や鉄道憲兵隊に所属しながら閣下の意を直接受けているみたいでな。
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