第八話 短い輝きその十
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「婚姻政策もただすればいいというものでもない」
「ですね、では」
「お妃様と早いうちにですね」
「お子をなす」
「そうしなければならないですね」
「今のうちにな」
太子はまた言った。
「そうしなければならない、だからな」
「はい、では」
「今夜もですね」
「床に入られますか」
「お妃様と共に」
「そうする、是非だ」
何といってもという返事だった。
「子はなしてこそだからな」
「ではお励み下さい」
「料理には滋養のいいものも揃えてますので」
「お食事を召し上がられて下さい」
「是非共」
「そうさせてもらう、妃が労咳であってもだ」
今は確証がない、しかしそれでもというのだ。
「子はなせる、一人でも多くな」
「なしましょう」
「是非」
側近達も言う、太子は実際にマイラとこの夜もその後も夜を共にした。だがマイラは司教にこう言ったのだった。
「あの方はよく言われます」
「お子をですね」
「はい、なそうと」
「それは当然のことです」
司教はマイラから聞いた太子の言葉を聞いてこう返した。
「王家の者の務めです」
「子をなすことは」
「そうです」
まさにというのだ。
「ですから」
「あの方が言われることはですか」
「正しいです、そして近頃夜は」
「いつもあの方と床を共にしています」
「それもまたです」
「よいことですか」
「はい」
その通りという返事だった。
「それもまたです」
「王家の者ならですか」
「務めですか」
「そうです、お子をなしてこそですから」
「王家の者ですか」
「是非です」
司教はマイラにまた言った。
「これからも毎夜です」
「あの方とですね」
「床を共にされて下さい」
「では」
「はい、まことによいことです」
司教はマイラに微笑みを向けていた、その微笑みこそ彼がマイラの夜のことにどう思っているかということの証だった。
「常にです」
「夜は共にですか」
「過ごされて下さい」
「そしてお子を」
「そうです」
「子をなすことがですか」
「マイラ様のお務めなので」
即ち王家の者のというのだ。
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