ファントム・バレット編
第69話死銃事件
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のレイピアを多少は避けたり、防いだりも出来るようになった。でも相手が相手だしなーーー
「分かった!プロの相手は荷が重いという事なら、調査協力費という名目で報酬を払おうじゃないか!!」
さらに『コレだけ」とクソ眼鏡は右手の親指、人指し指、中指を伸ばし、オレに見せてきた。報酬をくれるんなら、受けてやらなくもないけどーーー
「なぁ、それ・・・幾らのつもり?」
「え?300万だけど・・・」
300万、かーーー
「おい、菊岡さん。アンタ・・・0が一個足りひんちゃいまっか〜?」
「ええっ!?3000万は出さなきゃ受けてくれないの!?」
むしろまだ足りないくらいだ。人の命懸かってんだ、3000万でも安いもんだろ?
「まあそんなに出せないってんならオレはもう帰るけど・・・」
「分かった!!出そう!!出すから受けてくれ!!いや、受けてください!!お願いします!!」
交渉成立だ、チョロいぜ。
「でもよぉ、何でこんなにこだわるんだ?ネットによくありがちなオカルト話じゃないか」
「実はね、上の方が気にしてるんだよね」
そうか、もっと上からの指示なのか。フルダイブ技術が現実に及ぼす影響、それは今や各分野で注目されているそうだ。この《死銃事件》がそれを規制しようとする勢力に利用される前に事実を把握しておきたいために、その確信が欲しいらしい。
「でも、直接運営に聞けば早いんじゃないか?」
そう聞いてみたが、そういう訳にもいかないらしい。GGOを運営している《ザスカー》という企業はアメリカにサーバーを措いているらしく、それに加えて現実の会社の所在地や電話番号やメールアドレスも未公開だから問い合わせたくても出来ないそうだ。例の《ザ・シード》公開から怪しげなバーチャル世界は増える一方なのは、そこまで否定は出来ないなーーー
「そんな理由で、真実の尻尾を掴もうと思ったら、ゲーム内で直接の接触を試みるしかないんだよ」
だから死銃と接触しろ、かーーー
「もちろん最大限の安全措置は取る。銃撃されろとは言わない。キミから見た印象で判断してくれればそれでいい。行ってくれるね?」
ーーーオレはその言葉に頷くしかなかった。
かつてSAOでの二年間、4000人もの人が命を落とした。一年経って、その記憶も過去のモノになろうとしていた。でも、再び仮想世界で殺人事件が起きて、オレはその世界に呼ばれようとしている。オレは一人でその世界に飛び込もうとしている。まるで誰かが、忘れるなと言っているみたいにーーー
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