ファントム・バレット編
第69話死銃事件
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ろうな?」
「というと?」
ゼクシードも薄塩たらこも《アミュスフィア》を被ったまま死んだんだ。直接的に影響がない心臓が止まるとは考えにくい。実際一年一ヶ月前までーーー
「脳に損傷はなかったのか?」
《ナーヴギア》に脳を焼かれて死んだ人間が4000人いたんだ。
「・・・僕もそれが気になってね。司法解剖を担当した医師に問い合わせたが、脳に異常は見つからなかったそうだ」
ーーー確かに《アミュスフィア》じゃ無理だろうな。《ナーヴギア》は信号素子を焼ききる程の高出力マイクロウェーブで脳を破壊したが、《アミュスフィア》はそんなパワーの電磁波は出せない設計になってる。それはまず形状の違いから見て分かりきってる。《ナーヴギア》は頭部をすっぽり覆えるくらいのヘッドギア型で、内部の三割を内蔵バッテリーが占めていた。それに対し今ではオレが頻繁に使ってる《アミュスフィア》は目元を一週するくらいのリング型で、コンセントを繋がないと使用出来ないし、プレイヤーの体調が悪くなったり回線を切断したら自動的にログアウトが出来る。《アミュスフィア》が今度こそ安全だと言われているのはそれが理由だ。
「それにしても随分と手回しが良いな、クソ眼鏡。こんな偶然と噂だけで出来上がってるようなネタに真面目すぎないか?」
「まあ9割方デマだろうとは僕も思うよ。だから、ここは仮定の話さ。神鳴君・・・ライリュウ君は可能だと思うかい?」
その仮定の話はーーー
「ゲーム内の銃撃によって、プレイヤー本人の心臓を止める事が」
オレがいた世界のーーー《ソードアート・オンライン》の記憶を呼び起こした。
ゲームオーバー=現実世界での死。あの世界ではやり直しなんて利かない、命懸けでぶっつけ本番の世界だった。GGOプロプレイヤーが死亡した、所謂《死銃事件》。それはSAO事件とーーー驚く程に似ている。でもーーー
「アンタ・・・一通り検証済みなんじゃないか?残念だがオレは兄貴や弟とは違ってそこまで賢くないんでな、アンタの期待しているような回答は出来ないぞ」
「いやいやいや!僕がライリュウ君にそんな事する訳ないじゃないか。僕はキミやキリト君と話すのが好きなんだよ」
何それ、ちょっと気分悪くなってきた。こんなクソ眼鏡のために時間割いてきたオレがバカみてぇだよ。もうこのクソ眼鏡の声を聞く耳を持たないようにしよう、ナ○トの父ちゃん声だけど聞かないようにしよう。
「やめだ。結論、ゲーム内での銃撃でプレイヤーの心臓を止めるのは不可能。銃撃と二人の心臓発作は偶然の一致」
「待った待った!まだ頼んだケーキ全部来てないよ!」
この男は席を立ったオレをそこまでして引き止めてぇのか。どうせエリート様連中が頭を絞った後だ、今さらオレなんかの
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