ファントム・バレット編
第69話死銃事件
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O関係の話は和人と一緒に随分と話したはずだ」
「ところが、今日はちょっと違っててね。実はキミのお兄さんにも知らせてないんだ・・・」
そう言って菊岡は持参したビジネスバッグからタブレット端末を取り出し、オレに手渡してきた。その画面に映っていたのはーーー全く知らない男のプロフィール。
「誰だ?」
菊岡の話によると、この男の名は茂村保。先月の11月14日に死亡した人間らしい。東京都中野区の某アパートで掃除をしていた大家が異臭に気付いて、玄関の電子ロックを解錠して踏み込んだら、この男の死亡現場を目撃したそうだ。茂村の遺体は死後5日半経過していたため、かなり腐敗が進んでいたらしい。
「部屋は散らかっていたが荒らされた様子はなく、遺体はベッドに横たわっていた。そして頭に・・・」
「《アミュスフィア》か・・・」
《アミュスフィア》を被っていたという事が意味するのはーーー茂村保はVRMMOプレイヤーだったという事だ。
変死という事で司法解剖が行われたが、結果は急性心不全。心臓が止まったという事なのだが、理由は分からないそうだ。まあ遺体の腐敗が進んでいた事と事件性が薄かった事もあって、そこまで精密な解剖は行われなかったそうだ。
「ただ、彼は二日間何も食べないでログインしっぱなしだったらしい」
「・・・その手の話はそんなに珍しくないだろ?」
VRMMOの食事はダイエット用のプログラムが採用されていて、空腹感を紛らわして脳に満腹感を覚えさせるようになっている。だがその食事はただの紛らわしであって、現実の身体ーーー強いては胃袋には何も入らない。分かりやすく言えば、腹の中は空っぽなのに食欲がないって感じだな。ゲーム内での食欲では栄養の摂取が出来ないから、現実でも栄養を摂らないと死亡するというケースが少なからずある。オレたちSAO生還者も二年間のフルダイブによって何も食べられなかったが、それは入院中に点滴で栄養を摂取していたために生きてはいられた。
「・・・茂村保は何てゲームをプレイしてたんだ?」
「インストールされていたのは、《ガンゲイル・オンライン》・・・知ってるかい?」
「《ガンゲイル・オンライン》、通称GGO。日本で唯一プロがいるMMOゲームだったな」
《ガンゲイル・オンライン》ーーーGGOは《ザ・シード》によって生まれたVRMMOだ。運営会社は《ザスカー》、ゲームコイン現実還元システムによって、ゲーム内での通貨を現実世界の現金として使う事が出来るゲーム。それは全VRMMOの中でも、GGOにしか存在しない。プロというのはそのシステムで20〜30万近く稼いでいる高レベルプレイヤーだ。銃撃戦をメインとしたゲームで、射撃武器がなかったSAOとは正反対なゲームだ。
茂村保は10月、G
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