第61話
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いさせて下さいって頼んだわ。それがリウイさん達のギリギリの許容範囲だったからね。でも本音ではすぐにでも来て欲しいと思っているのじゃないかしら。……それに何かあればラギール商会に頼るように言ってたし………もしかしたらメンフィルの兵士の方達が今も陰ながら私を護衛しているかもしれないわね。」
「セシルさん……………………」
寂しげな笑みを浮かべたセシルの言葉を聞いたエリィは辛そうな表情になり
「……その……さ。セシル姉は幸せになるべきだよ。だから俺の事はいいから、いつでもリウイ陛下達の所に行ってくれてもいいよ。」
ロイドは複雑そうな表情で言った後、口元に笑みを浮かべてセシルを見つめて言った。
「まあ、酷い!ロイドがそんな事を言うなんて……そんなにルファディエルの方がいいの!?ううっ………どこで育て方を間違えたのかしら?」
その時セシルは声を上げた後、悲しそうな表情をし
「セ、セシル姉!俺は本気で心配して言ってるんだから、こんな時に冗談はやめてくれよ!」
ロイドは疲れた表情で指摘した。
「ふふ、わかっているわ。本当に自分の身が危ないと思った時は迷わずリウイさん達の所に避難するし、その手段も常にあるから私の事は心配いらないわ。」
「ハア……」
そして悲しそうな表情をすぐに笑顔に変えて言ったセシルの言葉を聞いたロイドは溜息を吐いた。
「あら、セシル。まだここにいたんだ?」
するとその時イリアがロイド達に近づいてきた。
「イリア、どうしたの?」
「どうしたもこうしたも………後で来るって言っていつまでたっても来ないからわざわざ迎えにきたんじゃない。」
「ふふ、ごめんごめん。すぐに行くから。うん、ロイド達に話したおかげで大分気持ちも整理できたし……私もそろそろ行くとするかな。あなたたちも色々と大変だろうけど……私もシズクちゃんも応援してるわ。だから、どんなことがあってもくじけずにがんばってね。」
「ああ、ありがとう、セシル姉。」
「それじゃあ、行きましょ。」
「なになに、弟君たちと色っぽい話でもしてたの?あたしにも聞かせてよ〜。」
そしてセシルはイリアと共に去って行った。
「ふふ、元気つけるつもりが逆に励まされちゃったわね。」
「ああ、セシル姉らしいよ。……よし、俺達もそろそろ迎賓館に行くとしようか。」
「グルル……ウォン。」
「行ってくるわね、ツァイト。」
その後ロイドとエリィは迎賓館に向かった。やがてロイド達は全員、迎賓館の”饗応の間”に集まり……程なくしてディーター市長と娘のマリアベルも到着した。そして、到着が遅れたのを詫びるディーター市長の挨拶を合図に……豪華ながらも居心地のいい晩餐会が始まるのだった………
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