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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百三十一話 後継者
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役目ご苦労様です」
挨拶が終わるとボルテック補佐官はフェザーンの立場を弁護し始めた。先程陛下の前で述べた事と同じだが、二回目の所為だろう、さっきよりも滑らかに話し始める。
アルテミスの首飾りがカストロプに配備されたのは商魂たくましい商人が売ったもので自治政府は関与していないこと、知っていれば必ず止めたであろう。
反乱を起したマクシミリアン・フォン・カストロプとフェザーンが連絡を取り合っていたとの非難があるがそれは誤解であり誹謗である。
マクシミリアンは反乱後、独立しカストロプ公国とフェザーンの間で国交を結びたいと言ってきたがフェザーンは本気にせず適当にあしらった事。それを以ってフェザーンに叛意ありとするのは酷としか言いようが無い。
ブルクハウゼン侯たちの背後にフェザーンがいたとの疑いは心外である。もしブルクハウゼン侯たちがその様な事を言っているとしたら、責任をフェザーンに押し付け少しでも罪を軽くしようとしての事である。
「フェザーンは決して帝国に敵対する事はありません。それをご理解ください。弁務官事務所の活動の再開、職員の解放をお願い致しまする」
ボルテックの言葉にヴァレンシュタイン元帥がチラッとリヒテンラーデ侯を見た後、答えた。
「なるほど、フェザーンに罪は無い、帝国の一方的な言いがかりだというわけですね?」
「そのような事は言っておりません。誤解が有ったと言っております」
「しかし、フェザーンには誤解を受けるような点があったのではありませんか?」
「弁務官事務所の活動の再開をお許しいただけるのであれば、今後は私が弁務官となって信頼いただけるように務めるつもりです」
ボルテックの言葉を聞くとヴァレンシュタイン元帥は少し目を細めた後、ボルテック補佐官に問いかけた。
「貴方が居なくなってはフェザーンのルビンスキー自治領主も色々とお困りでしょう。今はどなたが傍に居るのです?」
「ルパート・ケッセルリンクという者が新たに補佐官としてルビンスキー自治領主の傍におります」
「若いのですか?」
「まだ、二十代前半です」
ほんの少し、ボルテックの声に苦味が走ったように思えたのは気のせいだろうか。リヒテンラーデ侯を見ると侯は微かにこちらに視線を向けたが直ぐボルテックに戻した。ヴァレンシュタイン元帥はどう思っただろう。彼の穏やかな表情には何の変化も無い。
「リヒテンラーデ侯、ゲルラッハ子爵、弁務官事務所の活動の再開を許しては如何でしょう。フェザーンもボルテック補佐官を新たに弁務官に任命するほどの配慮を示したのですし」
一見すると、心からフェザーンの配慮に感心したような態度だがそんなことは有り得ない、となればボルテックを取り込む気か、あるいは別に狙いが有るのか。リヒテンラーデ侯が皮肉そ
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