機動戦艦ナデシコ
1406話
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でも暴力で解決するというのはいただけないな。物事は話し合いがこの場合は大事だと思うが?』
そう告げてきたオカダの言葉に、一瞬唖然としたのは当然だろう。
「お前……ここがどこだと思ってるんだ? ここは戦場だぞ? そしてお前は戦力を率いてやって来たんだ。その状況で話し合い? 恫喝外交にすらなってないぞ」
そもそも恫喝外交というのは、相手との間に圧倒的な戦力差があって初めて可能な事だ。
今のシャドウミラーが協力している討伐軍を相手に、賊軍がそんな手段を出来る筈もない。
『私はいいんだ。これは自衛の為の戦力だからな。それより問題は君達だよ。誰の許可を得てこの内乱に参加しているんだ? 君達がこの内乱に参加する許可を与えた覚えはない。今すぐに自分達の世界に帰るんだ』
……取りあえず、こいつと話していても意味がない事は分かった。
自分が信じたい事だけを信じて、それ以外の自分に都合の悪い事はオカダの中ではなかった事になっているのだろう。
自分だけの現実の中で生きている奴はいるが、ここまで大物が存在するというのは完全に予想外だった。
いや、寧ろこれだけの大物が第2艦隊の指揮官をやっているというのが異常だろう。
賊軍の奴も、現実を見ようとしない奴をよくこんな高い地位に付けたな。
その度胸だけは褒めてもいい。
だが……その人の能力の見る目のなさには後悔して貰うとしよう。
「全機、攻撃開始」
その言葉と共に、メギロートとシャドウは一斉に敵艦隊へと向かって攻撃を開始する。
『なっ、ちょ、ちょっと待て! まだ話し合いをしている途中だろう! なのに、こんな事……許されないぞ!』
「知るか。お前と話していても無駄に時間を浪費するだけだと判断した。悪いが、延々とお前の相手をしている程に暇じゃないんでな。さっさと片付けさせて貰うぞ」
『そんな……そんな事が許されると思っているのか!』
「許されるだろ。戦場に出て来て下らない事をぬかしてるんじゃない」
未だに俺を会話だけで何とかさせようとしているオカダだったが、その間にも攻撃は続いている。
映像モニタに映し出されているのは、サークル・レーザーによって何隻もの艦が被害を受け、同時にシャドウの放つ重力波砲やビームの類によって被害を受けた艦が爆散していく光景。
こちらが本体というだけあって、かなりの数を揃えてはいたようだが、それでもこうして戦っている間にその数は急激に減っていく。
俺もまた既にオカダとの会話に意味はないと判断し、敵艦隊へと向かって攻撃を行う。
ヒュドラから一斉に発射された無数のビームは、幾つもの戦艦を貫き、爆散させる。
ここが地球ならまだしも、宇宙空間だ。
乗っている艦が爆散すれば、その時点で乗組員の命は尽きる。
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