機動戦艦ナデシコ
1406話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が、気をつけてくれ」
ナタルとしては、正直なところ俺を前線には出したくないのだろう。
その気持ちは分かる。……俺が以前アカツキが前線に出ている時に言ったのと同じ理由なのは間違いない。
それは、俺が混沌精霊であるとしても軍人としてはどうしても思ってしまうものだ。
元帥や大将といった存在が最前線に出ているようなものなのだから、普通の良識ある軍人であればとても認められるものではない。
ましてや戦場では何が起こるか分からないというのを、幾つもの戦いを潜り抜けてきたナタルであれば、十分に……それこそ己の身を以て知っていてもおかしくない。
例え俺が混沌精霊で、物理攻撃が効果がなくても戦場では本当に何が起きるか分からないしな。
「任せておけ。何があっても俺は生きて帰るからな」
「……そういう台詞は、私でなくエリナに言うべきだろう」
そう言いつつも、ナタルの顔に浮かんでいるのは苦笑だ。
この短時間で、本当にエリナと仲良くなったよな。
やっぱり似たもの同士だけあって、気が合ったのが大きいだろう。
あまり考えたくはないが、上司に苦労している者同士とか、そういうところでも共感したのかもしれないが。
とにかく俺達がこれから行うべき行動は決まった。
である以上、俺としては次にやるべきなのは行動に移すことだけだ。
いつものように影のゲートを生み出し、そこに身を沈めていく。
「アクセル君、頑張ってね」
俺の身体が完全に影に沈む寸前、美砂がウィンクをしながらそう声を掛けてくるのが見え、聞こえた。
「……さて、出撃してきたはいいものの、向こうの動きがないのは妙だな」
ネルガルの月ドック近くで浮かびながら、俺が……俺達が倒すべき相手の方を見ながら呟く。
てっきり最初に出て来た戦力で注意を引き付け、その隙を突いてネルガルの月ドックを破壊するなり、占拠するなりするかと思ってたんだが……まさか何の動きも示さないとは。
もしかして、こっちもブラフだったりするのか? それだとちょっと面倒な事になりそうだが。
「まぁ、一当てしてから、その辺は考えるか。行くぞ、俺に続け」
ニーズヘッグの周囲に存在しているメギロートとシャドウに声を掛け、意図的に速度を落としながら敵へと向かって近づいてく。
新型艦3隻を主力としているのだろう敵艦隊だが、こちらが一定以上まで近づいたところで通信が送られてくる。
『こちら、革命軍第二艦隊司令オカダ・カツサ。その機体のパイロットはシャドウミラー代表のアクセル・アルマーとお見受けする』
映像モニタに映し出されたのは、六十代の初老の男。
それを見た瞬間、俺は内心で首を振る。
目の中には利己的な光のみが光っていたからだ。
それ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ