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第五十一話
第五十一話 木の葉が舞い
「よくぞ我が盟友の術を破りました」
フィガロは五人に対して言った。
「お見事です」
「褒めてくれるのかしら」
「はい」
フィガロは華奈子の言葉に頷いた。
「ですが私の術はどうでしょうか」
「ごたくはいいから早く見せなさいよ」
華奈子はふふん、と笑った状態でそう言った。
「どっちにしろ破ってあげるから。来なさい」
「気の強いお方です」
フィガロはそれを聞いてそう呟いた。
「まことによく似て・・・・・・」
「フィガロ」
だがここで上にいる紫の魔女から声がした。
「あ、これは御主人様」
フィガロは声をかけられ主が何を言いたいのか気付いた。
「申し訳ありません。失言でした」
「わかってくれればいいわ」
「はい。それでは我が術、あの方々にお見せ致します」
「ええ、いいわ」
フィガロは主の言葉に従うようにして前に出た。そしてその動きを止めた。
「いきますよ」
その周りに散っていた木の葉が浮き上がった。そしてそれは五人の周りにある木の葉も同じであった。
「葉っぱが!?」
「これこそ我が術」
フィガロは言った。
「とくと御覧あれ」
「一体何なのよ、これ」
「華奈子ちゃん、気をつけて」
春奈がまた言った。
「この木の葉、普通の木の葉とは違うわ」
「どう違うのよ」
「どうやらおわかりになられたようですね」
フィガロは春奈の言葉を聞いてその目を光らせた。
「その通りです。私の木の葉は普通の木の葉ではありません」
「何ですって」
「華奈子ちゃん、前に出たら駄目」
「えっ!?」
その瞬間一枚の葉が華奈子の赤い法衣をかすめた。するとそのかすめられた部分が切れてしまったのだ。
「えっ・・・・・・」
華奈子はそれを見て呆然とした。
「まるでカミソリみたいに」
「そう、カミソリです」
フィガロは彼女に答えた。
「私の木の葉は切れるのです」
「何ですってえ」
「だから迂闊に動いちゃ駄目よ」
「クッ・・・・・・」
華奈子は春奈に止められて動けなかった。その間にフィガロの葉は次第に五人に迫ってきていた。
第五十一話 完
2005・9・30
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