第十幕その一
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第十幕 お菓子の牧場
この日は皆で宮殿で色々として遊びました、その中で。
カルロスはボタンにです、微笑んで言いました。
「今回はボタンと一緒にいるけれど」
「それでもだね」
「うん、何度かいなくなってるけれど」
「遠くには行ってないね」
「ボタンは何処に行くかわからないのに」
それでもというのです。
「今回は違うね」
「そうだよね」
ボタン自身も言うのでした。
「皆の近くにいるね」
「偶然だけれど」
「偶然が続いているんだね」
「うん、そうなるんだね」
「ボタンは偶然の子よ」
ここで言ったのはつぎはぎ娘です、今は皆で音楽を聴いています。一曲終わったところでそれでお話をしているのです。
「だからね」
「偶然だね」
「そう、あたし達の傍にいるのよ」
「そういうことなんだね」
「だから明日偶然によ」
「何処かに行くこともだね」
「あるわよ」
こう笑って言うのでした。
「そういうものよ」
「偶然って続くんだね」
「それもまた偶然なのよ」
オズマが微笑んでカルロスにこう言ってきました。
「続くのもね」
「そして急に終わることも」
「偶然なのよ」
「偶然はわからないんだね」
「わからないのが偶然よ」
それこそまた言ったオズマでした。
「誰にもね」
「姫様にもですね」
「そう、わからないものなのよ」
「ううん、難しいですね」
「難しくもないの」
オズマは微笑んだままカルロスに言いました。
「偶然は何時何があるかわからないものだから」
「わからないことがですね」
「当然なのよ」
「わからなくて当然と思うことですね」
「そういうことよ」
「そういうことですか」
「そう、じゃあいいわね」
「わかりました、じゃあボタンが明日の朝いなくなっても」
カルロスはボタンを観つつオズマに応えました。
「当然っていうことで」
「そう思っていてね」
「はい」
「まあボタンがいなくなることはね」
恵梨香が言います。
「いつもだから」
「そう、急にね」
ジョージは恵梨香のその言葉に頷きました。
「朝起きたらなんてね」
「それでまた偶然僕達の前にいるんだよね」
神宝は微笑んでボタンを見ています。
「寝ていて」
「そうした子ということで」
ナターシャはこう言うのでした。
「いいのね」
「ほっほっほ、ボタンは絶対にオズの国におる」
王様はこの真実を指摘しました。
「扉の外で寝ていてもすぐに戻って来る」
「だから別にね」
木挽の馬は王様の言葉に同意でした。
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