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ソードアート・オンライン 結城家の次男は両手剣使いで恋人は黒の剣士
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貰えるクエストを受けた方が、何倍も良いからな。
「最強って言っても、第三層までしか使えないんだけどね」
キリトは「えへへ」と言って、軽く後頭部を撫でながら苦笑した。
そんなキリトに俺は優しく言う。
「いや、それでも自分自身が生き残れる術を持てるんだ。ありがたいさ」
言って話を終わらせたのまでは良かったのだが、キリトはそれだけでは留まらずじっと武器屋に並べられていたもう一つの防具、 女性用コートとセットになっている少し長いフリルのスカートを食い入るように見ていた。
色は黒と地味ではあるが女の子特有の可愛らしさはよく作られている。あか抜けない女子なんかが着るにはちょうどいいスカートだろう。
とはいえ、何故こんなものがゲームの序盤で売られているんだ。
防具の説明欄を見てみたが、特にこれといったステータスアップは見受けられない。
寧ろ防御力が下がっている気がするんだが。
完全に趣味目的の服に、しかもデスゲームとなったこの世界で金を出す奴はいないだろう。
それはゲーム経験歴の長いであろうキリトが一番よく分かっているはずなのだが彼女は相変わらずじっと見ている。
俺の声掛けも聞こえないのか無我夢中で何度も残りのコルを確認している様子がなんとも言えない。
「なあ、キリト」
「うー、やっぱり今後のことを考えると・・・・・コルが足りない」
「・・・・キリトさーん」
「だいたい私なんかが女の子らしい格好すること事態が間違っているのは分かってるけど、普段も男装が基本だし」
「!? ちょっ!」
「でも今は側にラグナがいるし、男の子の前で女である私が杜撰な格好でいればどんな風に思われるか。下手したら、うわー、コイツ女子力ゼロだわ、ないわーとか言われるかも・・・・・・・」
「おいキリト!」
「うひゃぁ!? あ、はい」
後少しでキリトから何やら黒い物が出てくるような気がしたが、俺の声にようやく反応してキリトは奇声を上げると俺に顔を向けた。
「あのよ。無理に女子らしくする必要性はどこにもないぞ?」
「え!? き、聞こえてたの?」
「そりゃ聞こえるだろ。それとも女子力云々関係なしにそんなに欲しいのなら俺のコルを使っても良いぜ」
俺とキリトはアイテムを共有していない。
本来ならばパーティーを組みアイテムは
一時的
(
テンポラリ
)
ストレージに保管されるのだが、俺たちはパーティー申請をしていない。
キリトも勿論、パーティーについては知っているだろう。だが彼女は未だにパーティーについての事を話さない。
恐らくキリトは、街においてきたクラインのことを思いパーティーを作ることに無意識に抵抗を覚えているんだろう。
それは俺も同じくでお互いに何となく言えないでいる。
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