第二話
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れていました。本当に天狗になるまでは。
「おじいちゃんが天狗になってから大変だったそうですよ?私はおじいちゃんと入れ違いで生まれたそうですが」
「だぁから夢枕に立って色々教えただろ?達磨の稽古をわすれたか」
「あれって意味あったの?」
「さぁ?自分で見つけな?」おじいちゃんがひょいと立ち上がる。
「・・・俺が夢枕に立たなくなってから、家の方はどうなった」
「スイスにお引っ越しです」
「なんでぇ?」おじいちゃんが身を丸くし口をあんぐりと開けて聞き返した。
「お母さんがスイスの大学で講師をすることになって、お父さんがスイスの遺跡を調べるそうですよ?」私はゆっくりとおじいちゃんに目を会わせた。
「・・・おじいちゃん」
「なに」
「私はここでなにをしたらいいの?」
「帰りたいなら帰ればいい、本当に帰りたいと思ってるなら、帰れるはずだぞ?」おじいちゃんはにっこりと笑い、どこかに飛んでいった。
私を、空中島に残して。
「・・・天狗」
ここの者達は空を飛ぶ手段を持たないため、空へ、天狗につれていかれては成す術がない。つまり、実質、猫又に課せられた責任は果たせなくなることなる。
猫又は、見なかったことにして帰路についた。探す振りをしておけば、勝手に行方不明になったということになるのだから!
「させねーぞ?」ニュッ、と天狗が上から顔を除かせた。
「うぎゃぁっ!」猫又は真上へ飛び上がった。
「はっは、傑作」ケタケタと笑う老いた天狗は懐に猫又を入れて空中島へと飛び上がった。
「おい!なにすんだよ!」
猫又は暴れだしたが懐にマタタビが仕込まれており、視界がぼやけていく。
「あいつは俺の孫娘だ。よろしく頼むぜ?ミケ」
「もうあんたの飼い猫じゃぁない」
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