機動戦艦ナデシコ
1405話
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エンジンを手に入れていた事になるわよ!?」
焦って叫ぶエリナだったが、その気持ちは分かる。
殆ど休みなしで働ける量産型W、メギロート、そして何より魔法球といった存在のないこの世界では、戦艦1隻を建造するにも相応の時間が掛かる。
そう考えれば、向こうがどこから相転移エンジンを入手したのか……ああ、なるほど。
「今回のクーデターが起こる相当前から、木連と地球の一部勢力は手を組んでいた、のか?」
「……だろうな」
ナタルが俺の言葉に同意する。
軍人であり、アークエンジェルやドミニオン、シロガネといった艦の艦長を務めてきた経験があるだけに、ナタルは戦艦の建造にどれだけの時間が掛かるのかをよく知っている。
それこそ、下手をすれば年単位で時間が掛かってもおかしくないのだと。
「どこだと思う?」
エリナの言葉を邪魔しないように尋ねてきたナタルの言葉に、少し考えてから口を開く。
「ネルガルは月の件もあって問題外、連合軍は使者を殺した件も加わってネルガル以上に問題外……そうなると、やっぱりクリムゾングループが怪しいだろうな」
木連と手を組むのであれば、消去法としてクリムゾングループしか残っていない。
いや、クリムゾングループも巨大グループだ。当然月の独立騒動の時には関わっていただろうが、火星に大々的な研究施設を持っていたネルガルと比べると、まだ木連と手を組みやすいだろう。
「だとすれば……エリナ、敵の新型艦には十分に注意した方がいい」
友人の……いや、この短期間で親友へとレベルアップしたナタルの言葉に、コミュニケで相手と話していたエリナが険しい表情で頷く。
「ええ。油断しないようにきちんと言ってあるわ。それより、シャドウミラーにも早速出撃要請をしたいのだけど……」
「だろうな」
敵が既存の戦力だけであれば、もしかしたらナデシコだけでどうにか出来たかもしれない。
だが……相転移エンジン搭載艦と思われる新型艦にエステバリスがいるとなれば、良くて五分五分……いや、恐らく新型艦はナデシコの技術を利用して作った艦なのだろうから、ナデシコよりも性能は上だと見るべきだ。
艦長やクルーの技量に関しては、性格に問題があっても凄腕を集めたというナデシコだ。その上で今までナデシコを乗りこなしてきたのだから、どこをどう動かせばどう反応するのかというのをこれ以上ない程に理解している。
「分かった。すぐにこっちも出撃準備をする」
「お願い。一応シャドウミラーの指揮権は私達にないから、出来るのは要請だけだけど……」
まぁ、シャドウミラーに対しての指揮権なんて、あったらあったで色々と不味い出来事になりそうだけどな。
それを考えれば、指揮権を持たないでこちらの自由意思に任せるという
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