暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第19話 暗夜に潜む者
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ーだけでなく、そのきっかけをはじめとしてそれからも情報を教えてくれるプレイヤーにもたくさん出会えたのだ。
 時間がたつにつれ、信頼できるプレイヤー、信頼できる情報屋から情報をもらっていき、ようやくニナは弟についての核心的な情報を入手した。
 ――弟らしきプレイヤーが殺されかけているという、最悪な条件付きで。
 情報を聞いてすぐニナは第二十二層へ駆けた。
 そして、言われた通りの場所で言われた通りの状況が起こっていた。
 フードのついた装備を身につけたプレイヤーがソラにカタナを突きつけていた。しかも、ソラの表情は明らかに怯えている――まさに、情報通りだった。
 ニナがプレイヤーに剣を向けたのは、ほとんど条件反射のようなものだった。気づいたときには、ニナはプレイヤーを斬りつけていた。
 数時間のように感じられた数十分の剣戟が終わり、結果ニナはプレイヤーに敗北した。
 木に縛り付けられ、両腕も封じられてしまった。これでは武器を持つことはおろか、メニュー画面すら開くこともできない。
(ここまでね……)
 ニナは自分が殺されることを覚悟した。
 ――だが、実際は違った。
 今ニナはソラを助けるため、そのプレイヤー――ユウと助っ人のキリトと一緒にソラのいる場所へ向かっている。
 先頭を走るのはユウ、キリトとニナは彼の後ろをついていく。
 ニナはあらためて二人を交互に見る。
 二人とも身長はニナと同じぐらい、もしくは少しニナより低いぐらい。ニナは二人の顔立ちからも考え、自分より年下だと予想した。
「――ねぇ、ちょっと聞きたいことあるんだけど」
 気づけばニナは、そんな言葉を口にしていた。
 ニナの言葉に二人が足は止めずに彼女の方に首を傾ける。
 二人の視線をしっかりと受け止め、ニナはユウの方を見ながら続きの言葉を話す。
「あんた、あたしを恨んだりしないの?」
「……はい?」
「いや、あたしはあんたを殺そうとしてたのよ? 普通キレたり憎んだりすると思うんだけど……」
 ニナの言葉に、ユウが少しだけ笑みを浮かべる。
「別に、恨んだりキレたり憎んだりしませんよ」
「何で?」
「えぇっ?? な、何でと言われてもな〜……」
 ユウは少し考えるように、ニナから数秒だけ視線を逸らしたあと、またニナに顔を向けた。
「驚きはしましたけどね。でも、自分の弟が危ない目に遭おうするのなら、守ろうとするのは当然だし、仕方ないですよ。誤解が解けたのなら別にいーですし。結果オーライってやつです」
 ユウの言葉を聞いて、ニナは唖然とするほかなかった。思わず足を止めてしまいそうになるほどに。
 自分が殺されかけたというのに、まるで他人事のように客観視しているユウに対してある種気味の悪さすら感じる。
(……いったいどうしたら、こんな性格になるのか
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