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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
第57話
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問を聞いたフランは意外そうな表情で砂の城を見つめて言った。

「いや、せっかく苦労して作ったんだし、そういうものがあれば、思い出になるんじゃないかと思ってさ。

「一理ありますね。ふむ、それなら……『みっしぃキャッスル』、というのはいかがでしょう。」

「え〜、ティオちゃんズルい!だったらあたしは『バンバンキャッスル』がいいな〜!」

「じゃあ、あたしは『リリスキャッスル』♪」

「この砂の城のどこに睡魔の要素があるのですか…………ここは無難に『クロスベルキャッスル』あたりでいいかと思います。」

ロイドの話を聞いたティオ達はそれぞれ違う意見を出した。

「みっしいはおなじみだけど……バンバンっていうのは、フランのお気に入りのぬいぐるみだったっけ。はは……エリナ以外はどれもかなり趣味が入ってるなあ。」

「……ですが、同じ城に4つの名前はつけられません。この際ですし、ロイドさんがどれがいいか決めてくれませんか?」

「あっ、それはいいかも〜!ロイドさんが決めるなら文句はないですし、ビシッと選んじゃってください!」

「(な、なにげに責任重大だなあ。)うーん、そうだなあ…………せっかくミシュラムに来たことだし……今回は『みっしいキャッスル』でいいんじゃないか?」

「なるほど……」

「む〜、言われてみればそうですね〜。」

「そうだね〜。しかたない、今回はティオにゆずってあげる!」

ロイドの意見を聞いたエリナは頷き、フランは頬を膨らませて呟き、シャマーラは頷いた後ティオに視線を向け

「ふふ……ありがとうございます。」

視線を向けられたティオは静かな笑みを浮かべた。

「はは、丸く収まったみたいだな。そうだ……4人共。ずっと砂浜にいて、喉が渇かないか?良かったら、後で冷たいものでも持ってくるけど。」

「そうですね……わたしは、売店にあったカキ氷を食べてみたいです。」

「あっ、あたしも食べたい〜!」

「あたしも!」

「……私も同じ物をお願いします。ロイドさん、お願いしてもいいですか?」

「ああ、任せてくれ。ツァイトは……フランクフルトでいいかな?」

「グルルル……ウォン。」

「『頼んだ』だそうです。……ああ、でも急がなくても全然結構ですから。せっかく来てるんですし、ロイドさんも楽しんでください。」

「はは、了解。」

そしてロイドはティオ達から離れ、パラソルの下にあるデッキチェアに座っているエリィ、セシル、リーシャ、ルファディエル、セティ、エルファティシア、ルイーネに近づいた………
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