一話:私立カルデア学園
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る気に満ち溢れるエドモンにぐだ男はあっさりと納得する。
ファリア神父は一時期荒れていたエドモンを導いた言わば恩師。
その人物の授業ともなればやる気に満ち溢れるのも納得する。
もしも、この場に居るのがぐだ男とエドモンだけであればこの話はここで終わっていた。
しかし、この場にはもう一人、神や信仰といったものが大嫌いな人物がいた。
「あら、あんな貧乏神父の話のどこが面白いのかしら? あんな綺麗ごとなんて通るわけないでしょう。神も奇跡もないのですから」
ジャンヌ・オルタである。
神経を逆撫でするようにワザと丁寧な言葉使いで話しかける。
もし、これがファリア神父のことでなければエドモンもいつものことと流していただろう。
しかし、恩師への侮辱は許せなかった。
「神や奇跡の否定などどうでもいい。だが、俺の前でのファリア神父への侮辱は高くつくぞ?」
「うふふ……どう高くつくのか言ってくれないと分かりませんよ?」
一瞬にして険悪なムードが流れる。
最近こんなことばかりだなと諦めの境地を開いたような顔でぐだ男は遠くを見つめる。
まさに喧嘩が始まるといった瞬間、混迷した場に救世主が現れる。
「何をしているんですか、二人とも」
「げっ」
「ち、またお前か」
『おはよう、ジャンヌ』
エドモンと同じクラスの姉のジャンヌである。
生徒会長を務める彼女はその責任感から騒ぎを聞きつけて来たのである。
「おはようございます、ぐだ男君。それよりも二人とも、喧嘩はいけませんよ」
「う、うるさいわね。こいつが悪いのよ!」
「ほう、喧嘩を売ってきたのはお前だったと記憶しているが?」
互いに指を指し合い罪の押し付けを図るエドモンとジャンヌ・オルタ。
そんな二人を見てジャンヌはやれやれと首を振りため息をつく。
「はぁ……二人の仲が良いのはよく分かりました」
「「違う! 違う違う!」」
『息ピッタリだね』
これまた同時に否定の言葉を発しマネをするなとメンチを切り合う二人。
この二人、なかなか素直になれないという点ではよく似ている。
『あ、チャイムのなる一分前だ』
「く……仕方ない。ここで幕引きとしよう」
「ふん、あんたのせいで遅刻するなんて馬鹿馬鹿しいから引いてあげるわ」
そして何より、見た目と違って真面目なところがある。
渋々といった感じではあるが二人とも自分の教室に戻っていく。
「ぐだ男君も早く教室に行かないと先生に怒られてしまいますよ」
『そうする。ありがとう、ジャンヌ』
少したしなめる様な言葉に俺を返すと微笑みを返される。
その笑みに思わず頬が熱くなるがジャンヌの方は少し不思議そうな顔をするだけである。
「いえ。あ
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