一話:私立カルデア学園
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ないが、その絆は固く、家族と言っても差し支えはない。
「さあ、もう時間も遅いので早く朝食を食べて学校に行きましょう」
特に反論することもないので頷いて支度を始める。
その後朝食を食べてマシュと共に登校する。
途中で季節外れの転校生と曲がり角でぶつかる、といったイベントもなく学校に到着する。
「では、先輩私は一年生の校舎なので、ここで」
『ありがとう、またね』
途中、一年生のマシュと別れ自分は二年生の校舎に向かう。
校舎の中といっても廊下は蒸し風呂に近いので足早に教室を目指す。
しかし、廊下の先に見知った影が見えたので足を止め声をかける。
『おはよう、ジャンヌ・オルタ』
高鳴る胸を抑えるように爽やかな挨拶をする。ジャンヌ・オルタというのはあだ名だ。
ジャンヌだけでは姉のジャンヌと紛らわしいので彼女自身が決めた名である。
因みにオルタと付けたのは何だかカッコいいという理由らしい。
「ああ、あなた? 一々挨拶なんてしないでくれる、鬱陶しいわ」
『でも、前は何も言わなかったら無視するなって怒ってたよね?』
「あ、あれは偶々よ! 偶々!」
開口一番に邪険に扱われるがぐだ男は気にも留めない。
以前であれば傷ついたセリフではあるが毎度同じようなことを言われるので慣れたのだ。
ケンカを売っているようだが、これは、彼女の不器用なコミュニケーション方法なのである。
『たまたまかー』
「そ、そうよ、偶々……って、何よ! その生暖かい目は!?」
『たまたまかー』
棒読みで繰り返しながら生暖かい目で見つめる。
同じクラスになり気づいた彼女との付き合い方は素直でないことを理解することだ。
ヤンキーのような目でメンチを切ってこられても怖気づかない。
相手のペースに乗ったり、自分のペースに乗せることが重要なのだ。
「なんだ、騒がしいと思ったら、またお前達か」
『おはよう、エドモン』
二人の騒ぎを聞きつけたのか教室からぐだ男の親友であるエドモン・ダンテスが顔を出す。
やれやれといった風ではあるがいつものことなので対して気にした風でもない。
「ああ、おはよう。それと余りグズグズしているとチャイムが鳴るぞ。もっとも、お前はその程度のことを気にするほど繊細でもないか」
『それほどでも』
「褒めてなどいない! とにかく、自分のクラスに早く行け」
『なんだかやけに気合が入ってない、エドモン?』
いつもであれば不良ぶっているために規則をさほど気にしないエドモン。
しかし、今日は事情が違うのか気合に満ち溢れている。
「今日は一時間目にファリア神父の倫理の授業があるからな。貴重な時間を無駄にするわけにはいかん」
目に炎を滾らせや
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