六十四話:Zero
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が欲しかった。
でも世界は残酷だった。
何かを助けるには何かを犠牲にしないといけない。
それを知った男は機械となって引き金を引き続けてきたのだった。
そんな男がある足の不自由な少女の養父となった。
父となった男は娘に心を救われ、妻の愛に魂を救われた。
人殺しだった男は最後の最後に愛する者の―――“正義の味方”となった。
これはそんな話。
――ケリィはさ、どんな大人になりたいの?――
――僕はね、正義の味方になりたいんだ――
〜Four years later〜
雲一つない快晴の中、ミッド郊外にある墓地にはやては一人訪れていた。墓を軽く掃除し花を供える。墓の名義は『八神切嗣、八神リインフォースT』。きっと二人ともこの苗字でも許してくれるだろうと思いこの名義にした。
「あれから色々あったけど、今はみんな大分落ち着いて暮せとるよ。……まあ、今でもスバルは危なっかしいことするけどな」
二人に最近の出来事を伝えていく。あの後の事後処理などは一年以上尾を引く大変なものとなったが今では綺麗さっぱり終わり肩の荷は下りている。服役しているレジアスももう数年もすれば出られるだろう。本来であれば終身刑ものであるが最後の最後まで身を挺して地上を守り続けた姿を見た市民が減刑を求めた結果だ。
「火災したビルの中に突っ込んだり、溺れてる人を見かけたら飛び込んで……あかん、上司は胃が痛そうやなぁ」
レスキュー部隊に配属され常に人助けできるようになり張り切っているのか度々新聞などで取り上げられている。もっともブレーキをかけることを忘れているので無茶をするのは変わっていないが。
「そんでも『私が目指した正義の味方は間違いじゃなかった』ってあん時のおとんに憧れとるから大切な人を捨てるような真似はせんと思うわ」
切嗣が見せた娘のための正義の味方の姿はスバルに自分の憧れは間違いではないと確信させた。自分の目指した人は決して間違いではなかった。誰かを救う正義の味方を目指して家族を守り、困っている人を助けと大忙しだ。
「そうそう、困ると言えばリインとアギトがまーだ喧嘩するのがなぁ。まあ、そういうところが可愛ええんやけどな」
アギトは最後までミッドを守り満足気に死んでいったゼストに変わり、今はシグナムをロードとしている。その影響で今では八神家の一員となっている。ツヴァイとは仲が良いのか悪いのかよく喧嘩をしている。
「他のみんなも元気にやっとる。休日にはちゃんとみんな揃って食事をしとるし、健康状態も大丈夫や。……私が一番不健康な生活送っとるかもしれんけど」
自分の仕事人間ぶりを思い出し昔とは随分変わったものだ
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