第4話 仕事
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た。
「ちょっと待て!全部食べる気か!」
「ダメなのか?」
「当たり前だ!」
私は話を後回しにすると、今は食欲を満たすために手を動かすことにした。
それから10分ほどで残っていた料理も無くなり、私は食後のティータイム中だ。
だが、シュトラーセはまだ食べている。
まあ、食べているのは果物なのだが、よく入るな。
「よく食べるな、シュトラーセ」
「腹が減ってたからな」
シュトラーセは私の言葉に応えながら、フォークに突き刺したヒャンゴーを食べている。
甘みが強く熱帯地域にしか出来ない果物で、味は良いが値段はやや高い。
「改めて自己紹介と行こう。私はクライン・リベレ。冒険者だ」
「シュトラーセ」
「シュトラーセはどこから来たのだ?登録の時には東と書いていたが、聖教国からか?」
「いや、さらに東だ。海を越えてきた」
海の向こうからか。
西と北には別大陸があることは分かっているが、東と南はまだ未開の地だからな。
「どうしてこの大陸に来たんだ?」
「旅かな」
「何か目的はあるのか?」
「ああ」
目的か。
私の場合は、世を知ることだな。
正直興味はあるが、あまり聞き過ぎるのも野暮というものか。
「シュトラーセ、今日はどこに泊まるんだ」
「これから探す」
果物をすべて食べ終えたシュトラーセは、フォークを置くと立ち上がる。
「じゃあな」
「シュトラーセ!」
私はシュトラーセを呼び止める。
宿を探すとは言うが、すでに陽も沈んで来た。
どうするか。
そうだ!
「シュトラーセ、私が借りている部屋に泊まるといい!」
「……」
「…何だ、その目は」
そのバカな奴を見るような目は。
その正気を疑うような目は。
「お前、女だろう?男と同じ部屋はマズイだろ」
何だ、そんなことか。
「安心しろ!私は無骨者だからな!問題無い」
「……」
シュトラーセは溜め息を吐く。
何かおかしいか?
「ほら、行くぞ。北区域にある宿だ」
私が促すと、シュトラーセは観念したのかついてくる。
外に出ると、私は宿へと足を進める。
結構陽も沈んで来たな。
通りを歩く人も減って来たようだ。
ギルドの近くを歩いていると、男性が大慌てでギルドへと入って行った。
あの慌て様、ただ事ではないな。
「行ってみよう、シュトラーセ」
「ふわぁ〜」
振り向くと、シュトラーセは欠伸をしていた。
「…何か言ったか?」
「行くぞ」
「何だ、何を怒っている」
無性にイラッと来たので、シュトラーセの襟を掴んでギルドへと歩いて行く。
だが、シュトラーセは落ち着い
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