第3章:再会、繋がる絆
第55話「事件解決...?」
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父さんも母さんも考え込む。
「ムートとシュネーは王と平民という身分差でありながら幼馴染だったんだ...。だけど、人体実験によって吸血鬼と同等の存在に。...ムートはシュネーを救おうと思い、民の裏切りにより死に、シュネーはムート達の友人だった聖王と覇王によって斃されたんだって。...歴史上では、ムートはシュネーに殺された事になってるけど。」
要点だけを両親に伝える。今重要なのはそこじゃないからね。
ちなみに、シュネーの最期についてはシャルから聞かせてもらった。
「...そして、生まれ変わりである僕と緋雪だけど...。...シュネーの吸血鬼化は、魂に影響するものでさ、緋雪も吸血鬼になった...と言うより、シュネーに戻ったんだ。...もちろん、ムートが殺された事で狂ったかつての状態に。」
「っ....まさか...!」
話を聞いて情報の整理だけで精一杯だった母さんが、もう察したらしく信じられないといった表情をする。
「....シュネーは...緋雪はずっと寂しがりやで、悲しんでいたんだ。...吸血鬼に...化け物の存在に堕ちるのに怯えながら、ずっと我慢してたんだ。...だから、僕に殺してもらうように、願った。」
「優輝...。」
「....僕だって、ムートの記憶を思い出して必死に助ける方法を考えたさ。...だけど、時間が圧倒的に足りなかった。焦っていたのもあるけど、どうしても命を助ける事はできなかった。....だから....。」
ここから先は言わなくても分かったのだろう、部屋が沈黙に包まれる。
...なんて言われるだろう。
どんな事情があったにせよ、僕は妹を...父さんと母さんの娘を殺したんだ。
人殺しだと責められても、口々に罵倒されてもおかしくはない。
...だけど...。
「.....ごめんなさい...。」
「.....え....?」
...母さんは、優しく抱きしめてくれた。
父さんも、責めるどころか、どこか申し訳ないような目で僕を見ていた。
「どう...して...。僕は、どんな理由があったにせよ、妹を...家族を殺したんだよ...?」
「...だから、だからよ...!そんな状況に、二人はいたのに私たちは傍にいられなかった...!親として、二人を支えてあげられなかった...!」
そういって、母さんは涙を流す。
...父さんと母さんは、僕が緋雪を殺した事よりも、自分たちが親として支えてやれなかった事を悔いているんだ...。
...確かに、人殺しなのには変わりない。どんな事情があったにせよ、その事実にはなんら変わりないのだから、普通なら僕は糾弾されているだろう。
だけど、父さんと母さんは僕を赦し
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