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英雄伝説〜菫の軌跡〜(閃篇)
第11話
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…あと数時間もしないうちに戦端が開かれる可能性は高い。既に集落の方にも伝えていたはずだが?」

「クッ、だからと言って……」

「こんな中途半端な形で帰るわけには……!」

ゼクス中将の説明を聞いたユーシスとリィンが唇を噛みしめて悔しそうな表情をしたその時、ガイウスが前に出てゼクス中将を見つめて問いかけた。

「―――ゼクス中将。今回の一件、どちらが先に手を出したのですか?」

「ガイウス……」

「……確かにそれは気になるところだけど……」

ガイウスの問いかけにリィンは驚き、アリサは考え込み

「―――調査中だ。もちろん先にも後にも帝国軍が動いた事実はない。にも関わらず、監視塔は破壊され守備兵からは死傷者も出た。ゼンダー門を任された者としてこのまま見過ごす訳にはいかん。」

クス中将は真剣な表情で答えた。



「……………………」

「………やっぱり亡くなった人もいるのね………」

死傷者が出たという事実を知ったアリサは真剣な表情で黙り込み、レンは重々しい様子を纏って呟いた。

「―――仮に共和国軍の偽装工作だったとしてだが。あちらの基地の被害はどの程度のものだったんだ?」

「……幾つかの施設にダメージを受けたようだ。被害はこちらと同等……いや、遥かに上には見えた。」

ユーシスの問いかけにゼクス中将は重々しい様子を纏って答えた。

「そ、それって……!」

「どう考えても、何かがおかしいということでは!?」

ゼクス中将の説明を聞き、状況が明らかにおかしい事に気づいたアリサとリィンはゼクス中将に反論しようとしたが

「だが、もはや悠長に様子を伺う時期は過ぎている。全面戦争は避けたい所だがある程度の衝突は覚悟の上だ。我らにしても、彼らにしてもな。」

「…………フン…………」

ゼクス中将が状況がどうにもならない事を口にし、それを聞いたユーシスは何もできない自分の不甲斐なさに不愉快そうな表情で鼻を鳴らした。



「……………―――でしたら中将。どうか今回の事件の調査はオレにお任せください。」

その時真剣な表情で考え込んでいたガイウスは決意の表情でゼクス中将を見つめて申し出た。

「……………………」

ガイウスの申し出にゼクス中将は黙り込み

「ちょ、調査って……」

アリサは戸惑いの表情でガイウスを見つめていた。

「ご存知のように、この一帯ならばオレの知らない所はありません。ノルドの静けさを乱す今回の不可解な”事件”……必ずや原因を突き止めてみせます。」

「……お前…………」

ガイウスの話を聞いたユーシスは驚き

「……………………――――及ばずながら俺達も力になります。」

「これも”特別実習”の一
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