第八話 短い輝きその六
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「キャスリング卿、デューダー卿、グラッドソン大司教といった方々が」
「どの方も信頼出来ますね」
「立派な方々です」
人格も資質もというのだ。
「その方々がおられるので」
「マリー様はお一人ではないからですか」
「はい、ですから」
それ故にというのだ。
「それで」
「安心していいのですね」
「そうです」
こう言うのだった。
「あの方々がおられるので」
「それで、ですね」
「はい、私は大丈夫です」
「マイラ様ともですね」
「必ずお話出来ます」
今は疎遠であるがというのだ。
「そう務めていきますので」
「今は無理でも」
「何度も。こちらからお声をかけて」
「そうしてですね」
「可能な限りです」
それが難しくとも、というのだ。
「務めていきます」
「では」
「私達がそれぞれの国に嫁いでこの国を去っても」
また二人でだ、マリーに言った。
「お確かに」
「しっかりとね」
「そうしていきます」
マリーも約束した、そしてだった。
この時は三人でマイラを茶、貴族から差し入れてもらった高価な薬とすら言われているそれを飲もうかと誘った。だが。
その誘いを受けたマイラはこの時も彼女と共にいた司教にこう言ったのだった。
「断ります」
「いつも通りですね」
「はい、そうします」
背を向けていた、言葉で。
「この度も」
「そうですか、しかし」
「姉妹、そして従姉妹同士だからですね」
「マリー様達とはです」
司教はマイラに峻厳な声で言った。
「出来るだけです」
「交流をですか」
「深めるべきです」
絶対にというのだ。
「出来るだけ」
「姉妹だからですか」
「最低限でもです」
「しかし私は旧教徒であり」
そしてとだ、マイラは司教に答えた。
「妾の子です」
「だからですか」
「あの娘達とは別です」
「そう言われてもです」
そして思っていてもというのだ。
「ですが出来るだけです」
「あの娘達と共にいろと」
「仮にも肉親ですから」
「私は肉親でもです」
旧教徒、そして妾の娘だからというのだ。
「あの娘達と共にいてはならないのです」
「左様ですか」
「それに私は一人でいいのです」
「孤独であられる方がですか」
「考えることが出来ますので、それに」
マイラは司教を見てまた言った。
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