第四章
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「これも付けよう」
「じゃあな」
桐子はにこりと笑って小雪からイヤホンを受け取った、そのうえで。
一旦帽子を取ってイヤホンを着けて帽子を被りなおした。小雪もそうした。すると先程まで冷えていた耳が急に暖かくなった。
その暖かさにも笑顔になってだ、桐子は言った。
「悪いな、イヤホンまで」
「桐子ちゃんも傘出してくれたから」
「一緒か」
「お礼はいいわよ」
小雪もにこりと笑って言う。
「じゃあね」
「行こうな、二人で」
「四天王寺まで」
傘もイヤホンも装備してだった、そうして。
二人で先に進んでいった、風も雪も強くなってきて前から叩き付ける感じだったが。
二人はさらに進んだ、吹雪はあまりにも強く完全装備の防寒状態でも辛くなってきたが。
小雪も桐子もだ、お互いの身体を抱き締め合いながら言った。
「行こうね」
「二人でな」
「寒いけれどね」
「これだけ着てるし二人一緒だからな」
「大丈夫よ」
「ああ、絶対にな」
言葉で励まし合うのだった。
「四天王寺まで行って」
「二人で同じ高校行こうな」
「また一緒にテニスしよう」
「ダブルスでな」
二人で励まし合う、そうして強い吹雪の中をだ。
二人は進んでいった、歩くことさえ辛かったが。
前に進んでいった、四天王寺を目指して。二人はお互いの身体を抱き締め合い励まし合いつつ四天王寺に向かった。
風も雪も止まらない、膝まである感じで足元に寒さが伝わり雪に足を取られて歩きにくい。だが。
二人で進んでいった、地図で現在地を確かめ合いつつ必死に。そうして大阪の夜の道を進んでいって。
遂にだ、二人は。
四天王寺の前まで来てだ、その門の下に来た。ここでだった。
小雪はほっとした顔でだ、自分が抱き締めている桐子に言った。
「桐子ちゃん、着いたわ」
「ああ、やっとな」
「二人で着けたわね」
「苦労したな」
「そうね、けれどね」
「着いたんだよ、あたし達」
「やっとね」
満面の笑顔でだ、桐子を抱き締めたまま言うのだった。
「着いたわ」
「じゃあこれでな」
「二人で同じ高校行けるね」
「そうだよな」
桐子も小雪を抱き締めつつ言う、二人は吹雪の中で喜び合った。
だがその吹雪がだ、急に止んで。
それまで大阪とは思えないまでに積んでいた雪が何処かに消えた、風も収まっていた。そして。
二人の前に白い着物を着た白い肌と長い髪の奇麗な顔立ちの女が現れてだ、そのうえで。
二人に笑顔で右手を振って姿を消した、小雪はその女を桐子と共に言った。
「雪女よね」
「どう見てもな」
桐子も言う。
「あれって」
「私達に頑張ったねって?」
「それで出て来てくれたのかな」
「どうなのかしらね」
「さあな、というかと
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