SIDE:A
第五話
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感じることはないが、異性として意識しちゃっているのが高鳴る鼓動で自覚してしまう。母さん? 母さんは肉親だよ。
わしわしと強めに髪を撫でてくる。やはり包容力のある異性に包まれると安心感を覚えるようでまたもや、ぐでんと脱力してしまう。
「ふっふふふ。あの主が妾の腕の中でこうまで無防備な姿を見せるとは……。愛いのう愛いのう」
にまにました笑みを浮かべて撫で続けるクーちゃん。反論したいけど精神が肉体に引っ張られてしまっているのか、非常に強い眠気に襲われてそれどころではない。
「歳相応な姿を見せるのって中々ないからね。ハルトが見る例の夢の影響で精神的に成熟しちゃっているから、普通の子供のように僕たちに頼ってくることもあまりないし」
「そうね。それがちょっと寂しいわね……。でもこの顔を見ると、ハルトもまだまだ子供のようで安心したわ」
もう無理、意識が落ちる。
クーちゃんの温もりを感じながら俺の意識は徐々にまどろみ、夢の世界へ旅立った。
† † †
ちなみにだが。父さんから聞いた話だと、ヒナタを誘拐した忍は抜け忍だったらしい。なんでも日向一族に個人的恨みを持っていた可能性が高く、それゆえの犯行だったという線が濃厚だとか。
抜け忍はその国の追い忍が始末するのが原則だ。今回の一件を雲の国に報告すると、当然ながら謝罪とともに手間が省けたということで感謝されたらしい。白々しいと父が顔を歪めてました。うん、十中八九、国のバックアップがあったよね。抜け忍三人が木の葉に忍び込んで誘拐なんて、普通成功しないもの。恐らくあわよくばという思惑からか、国のバックアップがあったとみられる。
――まあでも、無事解決してよかったよかった。
原作では誘拐した忍を殺すと、それを理由に雲の国が戦争を吹っかけてきたからな。それを回避するための条件として宗家当主であるヒアシさんの死体を要求してくる。もちろん応じるわけが無く、ヒアシさんの身代わりとして双子の弟であるヒザシの遺体を送り、これが日向の分家と宗家の溝の深さを物語っていた。
まあ、この世界では四代目火影である父さんが存命だし、そもそもクーちゃんによる被害もないから里の力も衰えていない。原作で無茶な要求を呑まざるを得ない背景として、四代目火影の死と九尾襲撃による国の疲弊もあり、戦争が起こると大きな被害が被るからだった。
そういった事実がないため、誘拐犯を殺してもこっちには正当防衛という大義名分があるから向こうは反論できないし。そのためヒナタ誘拐事件の一連では、ヒアシさんの遺体を要求されることもなく、逆に感謝の言葉を送られたという
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